1997 Fiscal Year Annual Research Report
開発と文化人類学:社会・経済開発における文化人類学の貢献
Project/Area Number |
07301040
|
Research Institution | RIKKYO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
青柳 真智子 立教大学, 文学部, 名誉教授 (00089278)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小馬 徹 神奈川大学, 外国語学部, 教授 (40145347)
星野 晋 山口大学, 医学部, 専任講師 (00259649)
菊地 京子 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (10161415)
谷口 佳子 青森公立大学, 経営・経済学部, 教授 (60171857)
伊藤 亜人 東京大学, 教養学部, 教授 (50012464)
|
Keywords | 文化人類学 / 女性労働 / 医療協力 / 開発政策 / 開発評価 |
Research Abstract |
平成7年度から9年度まで3年間にわたって行なわれた本研究は、世界各地に進行しつつある開発の問題を文化人類学の立場から考究しようとするものである。各年度において、年間数回の勉強会を開催し、国際協力事業団、青年海外協力隊、オイスカなど日本の海外協力機関で実務に携わる専門家を招いて講義を受けるとともに、数人の研究分担者が開発の理論的枠組み、女姓と開発、開発実施後の評価などについて発表を行なった。また初年度には国際協力事業団の沖縄訓練センターを訪問し、海外からの実習生と生活を共にした。一方、各研究分担者は上記の作業と平行して自己の分担地域の開発問題について、文献研究および他の資金を得て実地調査を実施した。 最終年度である平成9年11月には全員が東京青山で合宿し、これまでの研究成果を発表し互いに質疑応答を行なった。それらの発表題目は以下の通りである。「医療と開発」、「開発協力政策とGADの視点」、「評価手法における文化人類学の役割」、「パプア・ニューギニアの森林開発」、「オーストラリアの鉱山開発」、「ソロモン諸島の漁業開発」、「スリランカの女性労働-開発の中で」、「韓国の農村開発」、「ケニア、キプシギスの開発と女性婚」、「アメリカ合衆国南西部におけるリザベーションと開発」、「開拓という名の開発-北海道常呂の場合」。科学研究費による研究は平成9年度をもって終了するが、これらの共同研究をさらに理論的に精緻化し、市販の書物として刊行するために平成10年度も作業を継続する予定である。
|
-
[Publications] 青柳真智子: "ワイタンギ条約その後--とくに海の資源をめぐって" South Pacific・月刊南太平洋シリーズ. 194. 1-11 (1997)
-
[Publications] 成田弘成: "東南アジア日系企業のコ-ポレイトシチズンシップの研究" 豊田短期大学研究室紀要. 7. 26-52 (1997)
-
[Publications] 成田弘成: "開発と民族紛争--ブ-ゲンビル紛争の事例を中心として" 豊田短期大学研究室紀要. 8. 32-52 (1997)
-
[Publications] 菊地 靖: "Development Anthropo1ogy:Theoretical Perspective." The Global Practice of Anthropology 58. 199-228 (1997)
-
[Publications] 谷口佳子: "「開発と女性」における労働とエンパワーメント" 岩波講座「開発と文化3:反開発の思想」. 231-250 (1997)
-
[Publications] 小馬 徹: "開発の概念の諸相--ケニア:キプシギスを中心に" 岩波講座「開発と文化1:いまなぜ「開発と文化」なのか. 255-285 (1997)
-
[Publications] 斎藤尚文: "環境と開発を読む:パプアニューギニアの森林を巡って" 岩波講座「文化人類学2環境の人類誌」. 221-245 (1997)