幕藩領主文書と村方・町方文書群の発生・展開並びに伝存に関する史科学的研究

1997 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 07301043
• Research Institution: National Institute of Japanese Literature
• Principal Investigator: 森 安彦 国文学研究資料館, 史料館, 教授 (30020613)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 高木 俊輔 国文学研究資料館, 教授 (90022186) ; 保坂 裕興 駿河台大学, 文化情報学部, 講師 (30219159) ; 渡辺 尚志 一橋大学, 社会学部, 助教授 (10192816) ; 笠谷 和比古 国際日本文化研究センター, 教授 (90124198) ; 松田 之利 岐阜大学, 教育学部, 教授 (90021766)
• Keywords: 文書 / 組織体の構造 / 文書管理 / 文書様式 / 文書群の階層構造 / 保管容器 / 史料

Research Abstract

(1)高山町会所・戸長役場文書(高山市郷土館)の調査を1997年12月と1998年1月の2度にわたり行い、同文書の一次的整理を終了させた。また、飛騨郡代高山陣屋文書(岐阜県歴史資料館蔵)の調査も行った。
(2)本研究通算第三回の全体研究会を1997年11月22日に行った。報告は以下の通りである。福田千鶴「幕府勘定所と陣屋-「伺書」のライフサイクルをめぐって-」、保坂裕興「地方町方文書雛形研究についての小報告」、佐藤孝之「近世前期の広域村落支配の史料の作成・授受・管理機能-北遠幕領を事例として-」、笠谷和比古「文書館学と史料学」
(3)調査先の高山においても小研究会を行った。報告者は以下の通りである(報告題名は省略)。渡辺浩一、福田千鶴、山崎圭、富善一敏、小林信也、金行信輔。
(4)1998年3月に研究成果報告書『幕藩領主文書と村方・町方文書群の発生・展開並びに伝存に関する史料学的研究』(A4判、120頁)を刊行した。そこに収録された研究ノートは以下の通り。第一部、「幕府勘定所と代官所」福田千鶴、「近世都市高山における町方文書の保管構造」渡辺浩一、「高山町年寄文書の保管容器について」青木睦、「高山町の空間と史料」金行信輔、「近世飛騨地域における筆工について」冨善一敏、「近世高山の流通構造について」小林信也、「明治初年竹沢寛三郎支配期の史料論的考察」高木俊輔、「近代的史料管理秩序の形成」丑木幸男。第二部、「幕藩関係における藩上申文書の諸類型」笠谷和比古、「荒地起返地掌握をめぐる幕府勘定所と代官の関係」山崎圭、「松江藩郡奉行所「裁判記録」の史料学的研究」安藤正人、「大名家文書の中の「村方文書」」渡辺尚志、「近世前期の広域村落支配と史料の作成・授受・管理」佐藤孝之、「甲斐国の神社組織と「番帳」」西田かほる、「「大塩の乱」裁判記録の史料学的研究」森安彦、「近代市町村役場における史料保存についての試論」鈴江英一。

Research Products

• [Publications] 森 安彦: "近世私文書の世界" 信濃. 49-2. 101-135 (1997)
• [Publications] 森 安彦: "「金銭出入覚帳」の性格と内容" 史料館研究紀要. 29. 197-224 (1998)
• [Publications] 高木 俊輔: "農民日記史料論二" 史料館研究紀要. 29. 225-248 (1998)
• [Publications] 渡辺 尚志: "藤乗家の文書整理・目録作成と村落社会" 千葉県地域史料現状記録調査報告書. 2. 270-283 (1997)
• [Publications] 鈴江 英一: "地方行政文書の保存・公開をめぐる問題" 歴史学研究. 705. 162-168 (1997)
• [Publications] 保坂 裕興: "近世日本の記録・史料の管理" 歴史学研究. 705. 168-176 (1997)
• [Publications] 笠谷 和比古: "近世武家文書の研究" 法政大学出版局, 320 (1998)
• [Publications] 渡辺 尚志: "江戸時代の村人たち" 山川出版社, 245 (1997)