1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07301063
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐々木 健一 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (80011328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 裕 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (80167163)
久保 光志 東京女子大学, 文理学部, 教授 (50137759)
磯山 雅 国立音楽大学, 音楽学部, 教授 (00118895)
前田 富士男 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (90118836)
藤田 一美 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (60065480)
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Keywords | 作品 / ストア派 / 商品 / バ-ク / モ-ツァルト / 西田幾多郎 / G.ジュネット / ハイデッガ- |
Research Abstract |
本年度は最終年度に当たるので、研究の集約に力を注ぐこととし、なるべく早期に研究会での報告を終えることを目指した。実際には、昨年度のスケジュールを継承して年度初めから会を持ち始めたものの、10月末まで都合5回の研究会を開催する結果となり、この5回の集まりに9人の研究報告がなされ、討論が行われた。順次記すならば、ストア派の詩論における作品性(樋笠勝士)、アヴァンギャルドの作品概念(外山紀久子)、18世紀の演奏教本における作品概念(笹川隆司)、自然としての藝術作品(小田部胤久。小田部は初年度のメンバーで今回はゲスト)、有機的作品と非有機的作品(伊藤るみ子)、モ-ツァルトにおける「作品」(松田聡)、西田幾多郎の後期思想における「作られたもの」の概念(加藤好光〕、G・ジュネットの語りの構造(成瀬克次)、ハイデッガ-の作品概念(大石昌史)であり、これで参加メンバーの全員がその研究を報告したことになる。その後は、この口頭報告とその討論に立脚して、各人が研究成果を論文としてまとめる作業に集中した。研究成果報告書の編集においては、研究の概略だけを記するようなやり方を避け、今後の研究における基礎文献となりうるものをまとめるという方針をとった。そこで、公表しうる段階に到達した研究を厳選し、11本の本格的な論文(その主題については実績報告書を見よ)を以て報告書の論集を作成した(この他、磯山雅の「バッハの作品概念」もまた、公表に値する論文だが、別の形で公表されるため、この論集には収めなかった)。
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Research Products
(21 results)
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[Publications] 加藤好光: "西田幾多郎の「作られたもの」の概念" 『作品概念の史的展開に関する研究』. 153-170 (1998)
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[Publications] 松田聡: "モ-ツァルトにおける作品-「自作品目録」の記載をめぐって-" 『作品概念の史的展開に関する研究』. 83-96 (1998)
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[Publications] 外山紀久子: "反「商品」としての作品-モダニズムの抵抗あるいは無視の歴史" 『作品概念の史的展開に関する研究』. 133-152 (1998)
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[Publications] 樋笠勝士: "詩的言語の作品性-ストア学派における解釈と表現の原理-" 『作品概念の史的展開に関する研究』. 1-18 (1998)
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[Publications] 樋笠勝士: "言語のλonkor-ストア学派における言語探究の射程-" 『神田外語大学紀要』. 10. (1998)
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[Publications] 大石昌史: "ハイデッガ-の作品概念-真理の生起と作品の創造性について-" 『作品概念の史的展開に関する研究』. 171-195 (1998)
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[Publications] 大石昌史: "ケンタウロスの生成-ニーチェ『悲劇の誕生』の成立をめぐる諸問題-(一)" 『芸術学』. 1. 112-152 (1997)
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[Publications] 大石昌史: "自然・芸術・神話-ニーチェにおけるゲーテ的世界観の変容-" 『モルフォロギア』. 19. 89-110 (1997)
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[Publications] 磯山雅: "音楽的『知』の一体系-マッテゾンの音楽情念論-" 『精神と音楽の交響-西洋音楽美学の流れ-』. 163-194 (1997)
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[Publications] 久保光志: "カントと「藝術作品」-『判断力批判』第48節を廻って-" 『作品概念の史的展開に関する研究』. 67-82 (1998)
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[Publications] 渡辺裕: "「作曲家の最終的な意図」のイデオロギー-作品概念と音楽実践の現場-" 『作品概念の史的展開に関する研究』. 97-116 (1998)
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[Publications] 渡辺裕: "「実用版」楽譜とは何か?-演奏の伝統における「書かれたもの」と「書かれないもの」の相剋-" 『音楽の宇宙-皆川達夫先生古希記念論文集』. (1998)
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[Publications] 渡辺裕: "「楽譜に書かれる音楽」のイデオロギー-「音楽作品」概念の再検討に向けて" 『芸術学を学ぶ人のために』. (1998)
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[Publications] 相澤照明: "ut pictura poesisからutmusice poeisへ" 『作品概念の史的展開に関する研究』. 37-54 (1998)
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[Publications] 佐々木健一: "デカルトにおける作品概念-その世界観と哲学的理念-" 『作品概念の史的展開に関する研究』. 19-35 (1998)
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[Publications] 佐々木健一: "耳から知性への音楽-デカルトにおける美と音楽の性-" 『精神と音楽の交響-西洋音楽美学の流れ-』. 115-161 (1997)
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[Publications] 佐々木健一: "ディドロ『絵画論』-訳と註解(その15・完)-" 『美学藝術学研究』. 16. 1-40 (1998)
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[Publications] 前田富士男: "結晶する作品-近代美術におけるポスト・コンポジション-" 『作品概念の史的展開に関する研究』. 117-132 (1998)
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[Publications] 前田富士男: "パノフスキーにおける類型論(Tyrenlehre)" 『芸術学』. 1. 48-56 (1997)
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[Publications] 磯山雅: "バッハの作品概念" 『音楽の宇宙-皆川達夫先生古稀記念論文集』. (1998)
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[Publications] 渡辺裕: "音楽機械劇場" 親書館, 294 (1997)