1995 Fiscal Year Annual Research Report
中性子散乱によるフラクソイド構造の解明とその理工学的応用
Project/Area Number |
07305002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Co-operative Research (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長村 光造 京都大学, 工学研究科, 教授 (50026209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 正敏 神戸大学, 理学部, 助教授 (30175955)
今井 正幸 東京大学, 物性研究所, 助手 (60251485)
奥田 浩司 京都大学, 工学研究所, 助手 (50214060)
池田 進 高エネルギー物理学研究所, 助教授 (80132679)
古坂 道弘 高エネルギー物理学研究所, 助教授 (60156966)
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Keywords | 混合状態 / フラクソイド格子 / 中性子小角散乱法 / 臨海電流密度 / 高温酸化物超伝導体 / 異方性 / 局所構造 / 規則ノ不規則転移(融解) |
Research Abstract |
超伝導体中に進入した磁界はフラクソイド格子(磁束線格子、以下FLLと略する)を高精度に観察するため中性子散乱装置を構築して金属系超伝導体および酸化物超伝導体中における実際の磁束線格子の構造を解明し、デコレーション法、走査ホールプローブ法および低温STM/STS法により得られる知見を総合して磁束構造の電磁気現象への影響を解明することを目的としている。平成7年度には次の成果を得た。(1)FLL観察用中性子散乱装置の全体設計及び製作:完全度の高いFLLを観測するため日本原子力研究所改3号炉内にあるSANS-U及びSANS-J中性子小角散乱装置に位置できるようにFLL観察用中性子散乱装置を組み立てた。(2)Nb単結晶を用いたFLL逆格子像の精密測定:逆格子の広い範囲にわたり精密にPLLの散乱強度を計測し、非局所性および非等方性を検討した。(3)酸化物超伝導体中のFLLの構造と相図の解明: LaSrCuO,及びBi2212等の一連の良質の単結晶においてFLL構造の結晶方位依存性を観測し、アプリコソフ3次元格子からパンケーキ模型のような2次元構造まで種々の理論との対応から現実の構造について検討した。(4)走査ホールプローブ法およびSTM/STS法による磁束分布観察の基礎研究: FLL観察に必要な低温化、視野の拡大、測定システムの低ノイズ化についての基礎的研究を始めるとともに、走査Hallプローブの低温での動作を行い、同プローブによる広い領域でのFLLの観察を試みた。(5)ワークショップの開催:研究打ち合わせ、成果のとりまとめ等のため研究連絡会(ワークショップ)を1回開催した。
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