観光交通計画立案のための調査・分析方法の再構築

1995 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 07305021
• Research Category: Grant-in-Aid for Co-operative Research (A)
• Research Institution: Tokyo Institute of Technology
• Principal Investigator: 森地 茂 東京工業大学, 工学部, 教授 (40016473)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 岡本 直久 東京工業大学, 工学部, 助手 (70242295) ; 森川 高行 名古屋大学, 工学部, 助教授 (30166392) ; 朝倉 康夫 愛媛大学, 工学部, 助教授 (80144319) ; 溝上 章志 熊本大学, 工学部, 助教授 (20135403) ; 西井 和夫 山梨大学, 工学部, 助教授 (80115906)
• Keywords: 観光交通需要推計手法 / 観光交通発生量モデル / 観光目的地選択行動モデル / 国内海外旅行競合性 / 時系列分析 / 観光周遊行動モデル

Research Abstract

平成7年度には、(1)観光交通需要推計に関する既存手法の事後的評価、(2)観光交通需要推計手法の開発、(3)異種複数データ編集による観光交通データの作成を研究課題として、それぞれの細項目について担当者ごとに、研究成果を上げている。まず従来手法による現況再現性、将来予測性を確認し、既存手法の問題点を整理した。また(2)については、従来手法の課題を踏まえた上で、対象とする6項目の新たな推計モデルのプロトタイプを開発した。さらに、その実用化への有効性を確認するための、時間・地域間移転可能性を検討した。
観光交通の発生、目的地選択行動、海外旅行需要についてモデル分析技法開発にあたり、明確な地域格差が生じていることが新たな知見として得られている。特に発生交通量については、その要因として、個人所得ばかりでなく、地域所得水準、道路ネットワーク整備水準の要因が大きく影響を及ぼしていることが、モデルパラメータの優位性から確認されている。また目的地選択行動についても、地域間に時間優先性、費用優先性の違いが明確に示されている。
本研究の目的の一つであり、平成7年度の計画である観光交通需要推計手法の開発については、新たな技術開発等を当初の予定通り遂行しており、成果が上がっている。また、同じく異種複数データ編集による観光交通データの作成に関する研究のうち、既存データを活用して行う分析については順調に成果を上げている。しかし、当初予定していた社会経済環境の変化の観光交通発生行動を及ぼす影響を研究期間中に得られるデータで評価することは困難となる可能性がある。このため、これらの影響については、パネルデータのみの分析だけではなく、既存時系列データ等の活用方法を開発し、これらの分析のなかでパネル調査を用いた検証方法等を検討する必要性が生じている。

Research Products

• [Publications] 西井和夫.屋井鉄雄 他: "観光交通計画研究の課題と展望" 土木計画学研究・講演集. 18. 445-446 (1995)
• [Publications] T. Yai, H. Yamada er. al.: "Nation wide Recreation Trauel Survey in Japan-The Outline and Modeling Applicability" Transportation Research Record. 1943. 29-38 (1995)
• [Publications] N. Okamoto, S. Morichi et. al.: "A Study on the Regional Difference of Recreational Destination Choice Begavior" Journal of Eastern Asia Society for Transportation Studies. 1. 351-360 (1995)
• [Publications] 森川 高行,佐々木邦明.他: "観光系道路網整備評価のための休日周遊行動モデル分析" 土木計画学研究・論文集. 12. 539-547 (1995)
• [Publications] 古屋秀樹,西井和夫 他: "交通機関分担率を考慮した観光地入り込み客数予測手法に関する研究" 土木計画学研究・論文集. 12. 435-441 (1995)