1996 Fiscal Year Annual Research Report
青果物の成熟老化の生理学及び分子生物学的研究とそれに基づく鮮度保持技術の再評価
Project/Area Number |
07306002
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
兵藤 宏 静岡大学, 農学部, 教授 (40023452)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山木 昭平 名古屋大学, 農学部, 教授 (70210341)
土田 広信 神戸大学, 農学部, 教授 (60031184)
茶珍 和雄 大阪府立大学, 農学部, 教授 (60081519)
稲葉 昭次 岡山大学, 農学部, 教授 (90046491)
中村 怜之輔 岡山大学, 農学部, 教授 (70021053)
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Keywords | 成熟 / 老化 / 収穫後生理学 / 果実 / 野菜 / 酵素 / 遺伝子発現 / 鮮度保持 |
Research Abstract |
青果物は収穫後代謝の変動が急速に進行し、成熟、老化が進み、品質が低下する。各研究者はこの現象の解明に生理学的、生化学的、分子生物学的手法と考えのもとに研究を行った。山木は果実の糖合成と蓄積の機構の中で、ソルビトール脱水素酵素、スクロース合成酵素の反応機構の研究を行った。茶珍は成熟に伴う肉質の変化の機構について、ペクチンとヘミセルロースの変動を分析した。土田は果実の軟化機構とその制御についてβ-ガラクトシダーゼ、α-アラビノフラノシダーゼの研究を行った。中村は果実、野菜の鮮度保持効果の分子生物学的解析の中で高濃度炭酸ガスによるエチレン生合成系酵素の活性誘導、水分ストレスによるポリガラクツロナーゼの活性誘導について遺伝子の発現を解析した。稲葉は果実のエチレン生成と成熟の機構において、ACC合成酵素とACC酸化酵素の発言と調節の研究を行った。兵藤はエチレン生成と老化の機構の中で、ブロッコリー花蕾の老化の機構と関連してエチレン生合成とその酵素について研究を行った。上田はガス環境と呼吸生理の解析の中で、低酸素条件が呼吸系の酵素に及ぼす影響と効果について研究を行った。秋元は成熟過程のシミュレーション解析の中でフィルム包装された青果物の呼吸速度をコンピュータによる数値解析を用いて推定する方式を考案した。寺井は老化とクロロプラストの微細構造の研究の中で、ブロッコリー花蕾の老化に伴うクロロプラストの構造変化を解析した。山内はクロロフィル分解の反応の機構の研究でブロッコリー花蕾のクロロフィル分解の一連の反応を解析した。松尾は低温感受性の分子生物学的解析で、植物の低温、高湿耐性の特性を示すための遺伝子の発現について調査した。山脇は低温障害と感受性の機構の中で、各種青果物の高温、低温に対する感受性の違いと熱ショックタンパク質の解析を行った。これらの研究結果は多くのすぐれた成果をもたらし、研究の発展に大きく貢献した。これらの研究結果は青果物の鮮度保持技術を考察する上で多くの示唆を与えるものと思われる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kasai,Y.: "Ethylene biosynthesis and its involvement in senescence of broccoli florets" J.Japan.Soc.Hort.Sci.65(1). 185-191 (1996)
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[Publications] Kasai,Y.: "Ethlene production and increase in ACC oxidase activity during senescence of broccoli florets" Acta Horticulturae. (in press). (1997)