1995 Fiscal Year Annual Research Report
木材由来成分からの生分解性高分子の製造とその評価法の確立
Project/Area Number |
07306008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Co-operative Research (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
白石 信夫 京都大学, 農学部, 教授 (70026508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂井 克己 九州大学, 農学部, 教授 (30015656)
富田 文一郎 筑波大学, 農工系, 教授 (40012075)
小林 一清 名古屋大学, 農学部, 助教授 (10023483)
竹村 彰夫 東京大学, 農学部, 助手 (50183455)
吉岡 まり子 京都大学, 農学部, 助手 (30220594)
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Keywords | セルロースアセテート / 反応性可塑剤 / ブレンド / グラフト / ポリウレタン発泡体 / リグニン / オゾン酸化 / 熱分解ガスクロマトグラフィー |
Research Abstract |
白石、吉岡は、アセチル化木材およびセルロースアセテートを反応性可塑剤の練り込み反応(オリゴエステル化)によって可塑化する試みを種々行い、その実際化のための問題点をさぐった。基質成分と化学結合していないホモオリゴマーのブリードアウトは、オリゴエステル鎖の基質へのグラフト量を大きくすることにより抑制し得た。竹村はセルロースとポリブチルアジペ-トおよびポリエチルアジペ-トとをDMAc/LiCl中で溶解、ブレンドし、湿式法でフィルムを調製した上で、ブレンド状態を各種機器を用いて調べ、少なくとも前者については縞模様構造の界面相溶系であることを知った。小林はポリ(L-グルタミン酸)の側鎖カルボキシル基にβ-D-マルトペンタオシルアミンをアミド基を介して結合させ、これをプライマーとしてホスホリラーゼを用いてグルコース-1ーリン酸を酵素触媒重合させた。ポリペプチドを主鎖とし長さの揃ったアミロース側鎖をもつ新規なグラフト共重合体を得た。この化合物群について今後酵素分解性など生分解性を検討する。富田はオゾン酸化によりリグニンの分解性を高めた上、エポキシ化合物と反応させて樹脂化物を得た。オゾン酸化の度合いと得られた樹脂の生分解性について、西田の助力を受けて調べる予定である。坂井はモリシマアカシアの樹皮を液状ポリエステルに溶解させ、ポリウレタン発砲体を調製した。得られた発砲体は生分解性を示した。西田は土壌水分と温度を制御した実験室内での土壌埋没試験について力学試験と組み合わせて検討し、この方法で生分解性を評価しうることを知った。島田と高橋は、白石らの調製した可塑化CAについて、その生分解性を、機器分析も駆使して明らかにしつつある。黒田は腐朽したリグニンを中心に熱分解ガスクロマトグラフィーおよび熱分解-マススペクトロメトリーで定量的にモニター出来ることを明らかにした。
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[Publications] 白石信夫: "生分解性プラスチック" 木材学会誌. 41(7). 621-630 (1995)
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[Publications] 白石信夫: "セルロース関連の生分解性プラスチック材料" 日本木材学会木材の化学加工研究会シンポジウム講演集. 25. 33-41 (1995)
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[Publications] 吉岡まり子: "Plasticization of Cellulose Derivatives by Reactive Plasticizers I" Mokuzai Gakkasishi. 42(4)(in press). (1996)
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[Publications] 坂井克己: "Synthesis of Biodegradable Polyurethane Foams from the Bark of Acacia Mearnsli" Mokuzai Gakkaishi. 42(1). 87-94 (1996)
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[Publications] 白石信夫: "生分解性プラスチックハンドブック" (株)エス・テイ・エス, 13 (1995)
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[Publications] 吉岡まり子: "木材の化学と利用技術 IV" 日本木材学会, 13 (1996)