1995 Fiscal Year Annual Research Report
薬物の臓器特異的移行機構の解明とその薬効・動態制御への応用
Project/Area Number |
07307035
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Research Category |
Grant-in-Aid for Co-operative Research (A)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
辻 彰 金沢大学, 薬学部, 教授 (10019664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真弓 忠範 大阪大学, 薬学部, 教授 (00098485)
山本 郁男 北陸大学, 薬学部, 教授 (50069746)
渡辺 淳 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (80080175)
粟津 荘司 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (60012621)
花野 学 日本大学, 薬学部, 教授 (60012598)
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Keywords | ドラッグデリバリー / トランスポーター / レセプター / 組織標的化 / 薬物速度論 |
Research Abstract |
本研究においては薬物動態と薬効・毒性発現に影響するトランスポーター、レセプター、組織・細胞特異的糖鎖・蛋白質など諸因子について解析し、合理的な薬物動態及び薬効制御法の開発を試みている。本年度は薬物の消化管・口腔粘膜からの吸収、肝・腎排泄、脳などへの組織分布に関与する数種のトランスポーターの存在の示唆及びそれらの機能特性の解明、PepT1、PepT2、MCT1などのトランスポーターをコードする遺伝子のクローニングとその機能解析、及びこれらトランスポーターの組織分布特性を明らかにした。また、パイエル板のエンドサイトーシス活性や、高分子化合物の細胞表面糖鎖との相互作用による消化管上皮細胞間経路拡大作用を利用した薬物の消化管吸収性促進についても示すことが出来た。また、組織分布性制御法として、ガラクトース修飾した蛋白質の肝特異的分布性の調節、SODの様々な誘導体化による脳、心臓など種々組織集積性の増大、分画へパリンの肝実質、及びクッパー細胞への移行におけるスカベンジャーレセプター関与のエンドサイトーシス機構の寄与などの示唆、及び腫瘍標的化研究に必要な腫瘍血管様特性を有する培養細胞の確立を行った。さらに、薬効・毒性発現に直接関連するα1‐アドレナリンレセプターB型サブタイプに対する抗体の作製と抹消組織におけるウリジンセレプターの探索を行うとともに、中枢性鎮痛薬の血漿中・脳内濃度と鎮痛効果の時間推移を測定し、その関係について解析した。今後はこれらの薬物動態・薬効に関する個々の情報を統合できる生理学的薬物速度論を確立し、個体レベルでの薬物の動態・効果の合理的制御システムの確立を試みる。
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