1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07308049
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
栗原 堅三 北海道大学, 薬学部, 教授 (00016114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳永 史生 大阪大学, 理学部, 教授 (80025452)
尼川 大作 神戸大学, 発達科学部, 教授 (70031359)
中村 整 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (50217858)
鈴木 教世 北海道大学, 理学部, 助教授 (10001851)
木島 博正 名古屋大学, 理学部, 教授 (30012397)
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Keywords | 味覚 / 嗅覚 / パッチクランプ法 / 情報変換機構 / カエル / カメ / マウス / ハエ |
Research Abstract |
嗅細胞と味細胞における情報変換機構に関する研究で多くの成果が得られた。匂い応答は、cAMPやIP_3などを介さなくとも発現することを見出していた。この経路にはCa^<2+>、NOやcGMPも関与していないことが明らかになったことから、セカンドメッセンジャーを介さない経路が匂い応答の発現に大きく寄与していることが示された。匂い識別能力の温度および匂い物質の濃度への依存性を調べたところ、構造が類似した匂い物質は、温度が高いあるいは匂い物質の濃度が高い場合には識別されにくかった。嗅受容膜の膜流動性の増加とこれらの匂い識別能の低下の間には良い相関が見られたことから、膜流動性が匂い識別能に大きく関与していることが示唆された。魚類の嗅細胞を遊離することは困難であったが、ニジマス嗅細胞を遊離することに成功した。 味刺激により舌上皮から遊離する物質を採取する装置を開発した。この装置を用いて円や糖をラットとスナネズミの味細胞に与えたところ、ペプチド性の物質が遊離することを見出した。また、糖や塩を与えると、スナネズミの味細胞中のCa^<2+>濃度の増加を測定した。さらに、マウスの味細胞にサッカリンを与えたところ、低濃度ではcAMP濃度が増加し、高濃度ではIP_3が増加したことから、これらの物質がセカンドメッセンジャーとして糖受容に関与している可能性が示唆された。ハエの糖応答でもIP_3依存性経路の阻害剤で抑制されたことから、IP_3が関与している可能性が示唆された。リポ蛋白質は苦味を選択的に抑制することを見出していたが、酸性リン脂質単独でも苦味を選択的に阻害する効果を有することを見出した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y. Katsuragi: "Characteristics of phosphatidic acid-containing lipoproteins which selectively inhibit bitter taste : High affinity to frog tongue surface and hydrophobic model membranes" Biochim. Biophys. Acta. 1289・3. 322-328 (1996)
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[Publications] M. kashiwayanagi: "Existence of multiple receptors in single neurons : Responses of single bullfrog olfactory neurons to many cAMP-dependent and independent odorants" Brain Res. 738・2. 222-228 (1996)
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[Publications] M. Taniguch: "Intracellular dialysis of cyclic nucleotides induces inward currents in turtle vomeronasal receptor neurons." J. Nearosci. 16・3. 1239-1246 (1996)
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[Publications] M. Koganezawa: "Expression of taste reception response of fleshfly in Xenopus oocytes" Neuroreport. 7・13. 2063-2067 (1996)
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[Publications] Y. Ninomiya: "Salt taste responses of mouse chorda tympani neurons : Evidence for existence of two different amiloride-sensitive receptor components for NaCl with different temperature dependencies" J. Neurophysiol.76・5. 3550-3554 (1996)
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[Publications] T. Miyamoto: "Whole-cell recording from non-dissociated taste cells in mouse taste bud" J. Neurosci Method. 64(2). 245-252 (1996)