1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07401001
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
薗田 坦 京都大学, 文学部, 教授 (40047072)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 邦武 京都大学, 文学部, 教授 (90144302)
内山 勝利 京都大学, 文学部, 教授 (80098102)
山本 耕平 京都大学, 文学部, 教授 (70025071)
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Keywords | 普遍性 / 多元性 / 価値 / カテゴリー |
Research Abstract |
平成7年度の研究は、研究者4名が「哲学史的分析と論理的分析」という区別と言語・思想・文化における「存在論的理解と価値論的反省」という区別との、二重の区別に従って研究を分担することによって実施された。すなわち、哲学史的分析と論理的分析に関しては、前者を薗田、山本、内山がそれぞれ近世、中世、古代という区分に従って担当し、後者は伊藤が分担した。また、存在論的理解と価値論的反省については、前者を薗田、山本が、後者を内山、伊藤が担当した。このような交差的な研究分担によって、歴史的-分析的および理論的-実践的な面を兼ね備えた包括的研究を行い、各自の研究成果の発表と検討、相互批判を通じて、問題理解の深化につとめてきた。その結果、以下の成果が得られている。(1)存在論的理解における普遍性と多元性との両立が、哲学史的にも原理的にも、可能であることが明らかにされた。(2)価値論的反省においては、これまでの哲学史的な分析が十分ではないこと、その結果価値の多元性については、従来の哲学史上の諸理論が、必ずしも適切に取り扱っていないことが確認された。(3)現代の各種の言語論についての論理的分析を通じて、人間の思考のカテゴリーの多元性についても、従来の理解をさらに深める必要があることが指摘された。以上の成果は、研究計画の順調な遂行を意味しているが、なお相互批判による問題理解の深化の点で不十分な面もあるので、今後改善に努めたい。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 薗田 坦: "西洋近世的思考の原点-クザ-ヌスの「ドクタ・イグノランチア」をめぐって-" 龍谷大学REC会報. 1-49 (1996)
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[Publications] 薗田 坦: "ドイツ神秘主義とシュリング-神・自然・無底をめぐって" 理想. 657. (1996)
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[Publications] 伊藤邦武: "Peirce's Wager : The Rationality of Unrepeatable Decision Making under Uncertainty" Acta Institutionis Philosophiac et Aestheticae. 13. 93-106 (1995)
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[Publications] 伊藤邦武: "デカルト批判・私的言語の講論" 飯田隆編『ウィトゲンシュタイン読本』. 167-180 (1995)
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[Publications] 伊藤邦武: "デカルト" 宗像恵他編『西洋哲学史・近代編』. 43-50 (1995)
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[Publications] 内山勝利(中川純男と共編): "西洋哲学史・古代中世編" ミネルヴァ書房, (1996)