1998 Fiscal Year Annual Research Report
リスク認知とコミュニケーション効果の国際比較 -日本・中国・アメリカ-
Project/Area Number |
07401003
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Research Institution | Koshien University |
Principal Investigator |
木下 冨雄 甲子園大学, 人間文化学部, 教授 (10026742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉野 絹子 摂南大学, 経営情報学部, 教授 (40220701)
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Keywords | 科学技術と人間の共生 / 効用とリスクの認知 / 感情-認知構造 / 国際比較 / リスク・コミュニケーション |
Research Abstract |
本研究の目的は、科学技術がもたらす効用と、その隠れた側面であるリスクに対して、人々がどのような認識をしているのか、その受容に関する感情一認知構造を明らかにするところにある。この感情一認知構造は、科学技術の種類によって異なるが、同時に社会や文化によっても異なると考えられる。そこで本研究では、日本、中国、米国という異なる文化を持つ国を対象として、比較文化的な研究を行うことにした。 本年度は、過去3年間に行ってきた研究の取り纏めを行った。すなわち、レントゲン撮影、原子力発電、タバコ、麻薬といった科学技術や嗜好品に対して、市民がどのような効用性と危険性を感じているのか、両者のトレード・オフの結果として、これらの科学技術や嗜好品をどの程度受容しているのか、またその際に、科学知識や価値観や社会的態度がどのような形で入り込むのか、その全体的な感情一認知構造を分析した。ことにタバコに関しては、後述のように、国によって異なる文化規範や法的規制の実状をふまえて、詳細な分析を行った。 以上に述べた科学技術の効用とリスクについての感情一認知構造が、異なる国の異なる文化によってどのように変化するかを、日本、中国、アメリカの3カ国比較を通じて明らかにした。そしてこれらのデータをもとに、科学技術や嗜好品に対する感情一認知構造のモデルを提示した。そしてこのモデルは、理論面のみでなく、現実社会における応用面にも有効であると考える。
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[Publications] 木下冨雄: "科学技術・物質のリスク認知と受容の構造" 日本社会心理学会第37回大会発表論文集. 46-47 (1997)
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[Publications] 木下冨雄: "科学技術と人間の共生-リスク・コミュニケーションの思想と技術 有福考岳編著 環境としての自然・社会・文化" 京都大学学術出版会, 145-191 (1997)