1995 Fiscal Year Annual Research Report
旧産炭地の産業と生活の変遷と地域福祉の課題(福岡県田川市郡を中心に)
Project/Area Number |
07401005
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (A)
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Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
保田井 進 福岡県立大学, 人間社会学部, 教授 (60085678)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 薫 聖徳大学, 人文学部, 教授 (90062067)
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Keywords | 筑豊地域 / 石炭産業 / 生活保護 / 労働問題 / 地域福祉 / 保健医療 / 同和・人権 / 地域計画 |
Research Abstract |
1 田川市郡を中心とする古代・中世・近世にわたる歴史的変遷を、文化、産業、交通、政治等を中心に、また近代・現代については、炭鉱を中心にして地域の歴史と地域特性の概要を学習。 2 研究分担者により、基礎的なデーター収集、各市町村誌、筑豊関連の資料を収集、さらにマスコミに報道された記事等の整理を行い、また東京、関西方面に行き資料収集を行った。 貴重かつ散逸している資料、文献等を集め、資料、年表等の作成、主要な資料や資料提供者から貸与された文献のコピーをする事ができた。 3 戦後50年間の筑豊産炭地を中心にした産業、福祉制度、労働運動、生活等の変遷を詳細に示す年表、社会の基礎構造を示す指標をグラフで示すことができた。 4 生活保護の状況について福祉事務所の地域担当経験者等から住民の状況、その生活意識、地域の状況、自治組織、運動団体との交渉の経過を聞き取ることができ、仮設的に時代区分を行い、各時代の特色を検討する作業に着手できた。 時代区分の試みとしては、(1)炭鉱隆盛の時代、(2)炭鉱閉山の時代、(3)生活保護の不正受給が多発し社会問題となる時代、この時期に団体と行政との緊張関係が頻発する。生活保護率が全国的に高い比率を示し、不正問題と適正化の課題が生じた時代。(4)生活保護の適正化の取り組みを行政が積極的に実施する段階。(5)高齢化により新たな生活保護受給層が生まれる段階とする。 5 経済的支援、施策が住民主体に与える影響。生活保障、炭鉱閉山にともなう国の補助、助成等は地域住民の生活艱難への対応のみならず地域の経済、住民の意識、住民相互の関係、子どもの発達等に影響しているものと思われる。経済的施策、所得保障等と住民意識、態度、人間関係等との関係を影響を検討する必要性が明らかになってきた。
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