Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細井 勇 福岡県立大学, 人間社会学部, 助教授 (70190204)
平野 泰朗 福岡県立大学, 人間社会学部, 教授 (20165195)
奥村 幸夫 福岡県立大学, 人間社会学部, 教授 (80090760)
清田 勝彦 福岡県立大学, 人間社会学部, 教授 (60071726)
大橋 薫 聖徳大学, 人文学部, 教授 (90062067)
|
Research Abstract |
平成8年度は分担者が各々調査,研究を行なうことができた。まず筑豊地区の炭鉱閉山以後の地域社会における社会変動,失業,家族問題,児童問題,生活保護状況,同和人権問題の状況を調べ,いわゆる国の生活保護適性化の契機となった生活保護不正受給問題について社会的背景,生活保護運用上の問題,福祉事務所の体制,福祉事務所職員等自治体労働組合運動の視点からその経緯について調査を行ない,生活保護研究の一部を「田川福祉事務所40年史」としてまとめることができた。 エネルギー革命による炭鉱閉山のもたらした経済,社会,家庭や児童の生活実態の変化は,閉山時の一時的状況に止まらず,40年間に社会関係,住民の意識と行動にも影響をもたらしている。高度経済成長期と経済低成長期,さらにバブル崩壊後の経済不調,高齢社会到来等と相俟って多様な社会問題を派生している。したがって,筑豊地区の社会問題なり,生活問題は今日の日本の社会が直面する共通問題がより先鋭化した状況で顕在化していると見ることができる。しかし,一方では高齢者,児童と家庭等の地域保健福祉の取り組みの必要から,新しい地域福祉の動きも始まっている。従来,地元経済を支えてきた,鉱害復旧,産炭地振興政策の終息や社会福祉政策の変更は今後の産業経済の活性化と住民の自立を求めることになるが,それは新たに厳しい状況を予測することもなる。 各論としての人口等の社会移動,産業・経済の変遷,保健・医療,就学前教育,アルコール依存,地域福祉等において分担者によるアンケート調査,地域関係者や住民からの聞き取り,文献・記録の収集を含む調査研究を行なった。
|