1995 Fiscal Year Annual Research Report
「差異」の商品化と地域アイデンティティー地域文化形成における観光開発の位置づけについて-
Project/Area Number |
07401008
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (A)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
中村 潔 新潟大学, 人文学部, 助教授 (60217841)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉原 名穂子 新潟大学, 人文学部, 助手 (00251687)
渡辺 登 新潟大学, 人文学部, 助教授 (50250395)
伊藤 守 新潟大学, 人文学部, 教授 (30232474)
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Keywords | 観光開発 / 地域アイデンティティ |
Research Abstract |
本研究では、観光開発という形での地域活性化の事例として、新潟県、岩手県のリゾート開発を取り上げ、地域の主体的計画形成プロセスを明らかにすることを目的とした。研究実施計画に基づき本年度は、新潟県両津市、岩手県平泉、江刺における行政関係・観光関連企業の資料収集をおこない、それらの分析をおこなうとともに、先行研究を把握し、調査枠組の理論的な考察を加えた。両津、平泉、江刺の対象地区に関しては、数次にわたり実態調査に赴き、関係者のヒアリングをおこなった。特に、伝統的な観光地である平泉の活性化の戦略と、新たな観光事業を展開したニュージーランド村を対比させ、それぞれの戦略の違いに留意して地域特性の把握につとめた。 さらに、地域開発事業のひとつとして観光開発で成功した北海道江別市の関係者のヒアリング調査と資料収集をおこなった。また、両津市では当該地区住民へのプリテストをおこない、現在の佐渡の観光事業についての住民意識を探った。これらの検討に基づき、来年度の聴き取り調査に向けての具体的な項目の選択をおこなった。 両津、江刺、平泉の対象地域では、資料収集、ヒアリングともに、有益な知見を得ることができた。特に、伝統的な観光地(両津、平泉)と新興の観光地との差異化の戦略の違いが把握できた。 本年度の調査においては、観光事業に伴う住民意識の変化と住民の「地域づくり」に参加するプロセスについて十分な検討を果たせずにいるが、この点については、これまで収集したヒアリングの調査を再分析し、次年度の調査で解明することにしている。
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