1995 Fiscal Year Annual Research Report
手術侵襲・生体反応の動的解析と制御に関する基礎的・臨床的研究
Project/Area Number |
07407031
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (A)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西平 哲郎 東北大学, 医学部, 助教授 (50101142)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井 秀之 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (90188839)
平川 久 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (10250763)
大河内 信弘 東北大学, 医学部, 講師 (40213673)
標葉 隆三郎 東北大学, 医学部, 講師 (20192106)
里見 進 東北大学, 医学部, 教授 (00154120)
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Keywords | 手術侵襲 / サイトカイン / 微小透析法 / 安定同位体 |
Research Abstract |
侵襲に対する生体反応について、安定同位体や微小透析法を用いて動的に解析を進めた。 ^<14C>-Trioleinを用いた研究から、外因性脂肪は内因性脂肪の動員後利用され、侵襲下では、約2-3倍に利用率が上昇し、周時に投与される糖の量によって利用率は大いに異なることが明らかとなった。一方、微小透析法によって、血中、皮下脂肪、内蔵脂肪のGlycerol代謝をみると、β-Stimulantの投与で亢進し、大量のLPSによっても、血糖の上昇とともに内蔵、皮下脂肪ともにGlycerol代謝は亢進したが、両組織における差はなかった。 また、侵襲によって、カテコールアミン分泌は中枢神経、末梢組織で亢進し、サイトカイン分泌は大きく変動し、これらの生体反応は臨床例においても、侵襲モデルにおいてもメチルプレドニゾロンやアシノステロイド、キテロカインなどによって軽減された。肺胞マクロファージや腹腔マクロファージの活性化も軽減され、逆に脾細胞のIL-2産生能は、侵襲によって低下するのに対し、術前のステロイド投与によってIL-2産生能は保たれ、アシノステロイドによって増強されることが明らかとなった。また、このアシノステロイドの作用は、メチルプレドニゾロン同様、ステロイドレセプターアンタゴニストによって阻害され、ステロイドレセプターを介した作用である可能性が示唆され、至適な容量や用法、投与時期が存在する。
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