1997 Fiscal Year Annual Research Report
非接解・高速・高精度3次元形状計測システムによる歯科矯正治療の客観的評価
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07407061
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
石川 晴夫 日本歯科大学, 歯学部, 教授 (40120604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 一仁 日本歯科大学, 歯学部, 講師 (00193037)
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Keywords | 非接触三次元形状計測システム / 正常咬合者 / FA point / 歯科矯正学 / CAD |
Research Abstract |
日本歯科大学の学生と職員約3500名の中から最も優れた咬合を有する者を正常咬合者として30名選択し,Facial Axis point(FA point)を設定し,FA pointの垂直的変動について計測を打つた.その結果,従来より正常咬合者においては一平面上にあると考えられていたFA pointは有意に垂直的に変動していることが明らかとなった. この垂直的な変動を臨床的に補正する目的で新たにNatural Andrews平面を定義しFA pointに代わる方法としてNA pointを設定したところ,臨床的に有効な方法であることが明らかとなった.NA pointは数学的に算出する計測点であるため,より一層臨床的に使いやすくする目的であらたな補正の方法を考案し,臨床歯冠の高さに対するNA pointの高さの割合を算出した.正常咬合者の歯列の垂直的な変動を明らかにするためにSpeeの彎曲を計測し,本研究の被験者の歯列は過去に行われた日本人の正常咬合者に比較して有意に平坦であることが明らかとなった.先の実験の結果とあわせて考えるとFA pointの変動は歯列が極めて平坦な被験者においても認められることから,臨床的な指標としての有効性に疑問があることが裏付けられた. また,これらの研究結果から,大きな母集団から厳選した正常咬合者においてもなお個人差が認められたことから,今後の課題として正常咬合者の歯列の垂直的な特徴のうち特に個人差についてより一層明らかにする必要があることが明らかとなった. その他に,本システムを用いて上下顎の咬合接触状態について検討したところ,高い信頼性を有し,咬合接触の診断に応用する可能性が示唆された.
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