1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07408035
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木村 實 大阪大学, 健康体育部, 教授 (40118451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 直幸 大阪大学, 健康体育部, 助手 (00252726)
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Keywords | 行動の学習 / 黒質線条体ドーパミン系 / 順序運動 / 大脳基底核 / ドーパミン受容体 / 運動プログラム / D1,D2 |
Research Abstract |
本研究は、黒質線条体ドーパミン系が線条体ニューロンが保有するどのタイプの受容体を介して、行動の学習に伴う活動特性の変容とその維持に関与しているかを明らかにすることを目的として行った。 実験には2頭の日本ザルを用いた。4〜5連の多連ガラス微小電極を使って、中心の電極によってサルの線条体ニューロンTANsの活動を記録しながら回りの電極でD1クラスまたはD2クラス受容体拮抗薬を電気泳動的に投与した。調べた40個のTANsのうち19個のTANsはD2クラスの拮抗薬(-)-sulpiride(10mM,pH4.5,<50μA)の投与によって選択的に、3個のTANsはD1クラス受容体拮抗薬によって選択的に反応が消失した。また、他の7個のTANsはD1クラス、D2クラスの受容体拮抗薬のいずれによっても反応が消失することが解った。ドーパミン受容体拮抗薬を投与することによるTANsの自発放電レベルへの有意な影響はみられなかった。また、コントロール実験として生理食塩水を電気泳動的に(<30nA)または圧注入法によって(<1μl)投与したが、TANsの反応に有意な影響は見られないことが確認された。 以上の結果は行動の学習に関与する大脳基底核の神経機序についての次の作業仮説を支持する。すなわち、行動の学習が完成した状態では、黒質線条体ドーパミン系が主としてD2受容体の、一部はD1受容体を介するメカニズムによって線条体のニューロンTANsが行動の学習に伴って獲得した活動を表出すことを可能にしていると考えられる。すなわち、学習によって獲得された線条体ニューロンの活動の表出を黒質線条体ドーパミン系が主にドーパミンD2受容体を介して制御していることが強く示唆される。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Watanabe,K., Kimura,M.: "Dopamine receptor-mediated mechanisms involved in the expression of learned activity of tonically active neurons in the primate striatum" J.Neurophysiol.(in press).
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[Publications] Kimura,M. and Matsumoto,N.: "Neural activity in the basal ganglia : functional inplications." Adv.Neurol.74. 111-118 (1997)
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[Publications] Kimura,M. and Matsumoto,N.: "Nigrostiratal dopamine system my contribute to behavioral learning through providing reinforcement signals to the striatum" Eur.Neurol.38. 11-17 (1997)
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[Publications] 木村 實: "大脳基底核と強化学習" 医学のあゆみ. 181. 1058-1060 (1997)
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[Publications] 木村 實: "大脳基底核と手の運動の強化学習" 神経研究の進歩. 42. 117-123 (1998)