沖縄県における高校中退者・不登校生徒の進路意識に関する総合的研究

1997 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 07451064
• Research Institution: University of the Ryukyus
• Principal Investigator: 藤原 幸男 琉球大学, 教育学部, 教授 (10112442)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 三村 和則 沖縄国際大学, 文学部, 助教授 (60181971) ; 村上 呂里 琉球大学, 教育学部, 助教授 (40219910) ; 長谷川 裕 琉球大学, 教育学部, 助教授 (30253933) ; 照本 祥敬 琉球大学, 教育学部, 助教授 (10227530)
• Keywords: 高校中退 / 学校改革 / 学校評価 / 中退体験 / アイデンティティ / 青年期 / 進路意識 / 沖縄文化

Research Abstract

本年度は次のことを実施した。
第一に、沖縄県の高校改革の歴史的展開との関連で高校中退を検討し、『学校基本調査報告書』をもとにM高校を事例に高校中退問題を考察した。合わせて、学校改革と高校中退者についてM高校に聞き取り調査を行った。
第二に、高校中退の比較調査のために、石川県金沢市に行った。中退者が全国的に少ないためか大きな関心になっていないようで、生徒の学校不適応問題として位置づけられていて、学校存在の問い直し、生徒の生き方・進路の問題としての把握が不充分なように思えた。また、高校中退者の就職状況を比較調査するために、全国的に中退者の少ない石川県に調査にでかけた。公共職業安定所での聞き取り、求人票の学歴記載をもとに調査した結果、中途採用の求人において学歴基準に大きな差異はなく、高卒の明記が50%以上で、中退者を含む高卒程度の記載は少ないことが明らかになった。
第三に、A島を対象とした継続調査を行った。島の青年会指導者、青年団員、高校を中退して戻ってきている若者への聞き取りをもとに、A島出身者の「中退」体験のありよう、「中退」への自己規定のあり方、「中退」者の帰島後の生活と青年期的アイデンティティー形成のありようについて考察した。