デルタにおける古代の開発に関する地図的情報の収集と解析(庄図の残る吉野川下流域の場合)

1997 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 07451077
• Research Institution: The University of Tokushima
• Principal Investigator: 丸山 幸彦 徳島大学, 総合科学部, 教授 (50035317)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 北條 芳隆 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (10243693) ; 東 潮 徳島大学, 総合科学部, 教授 (70243673) ; 藤田 裕嗣 神戸大学, 文学部, 助教授 (10181364) ; 平井 松午 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (20156631)
• Keywords: デルタ / 吉野川 / 土地開発 / 古地図

Research Abstract

本研究は、平成7〜9年度にわたり、文献史学・考古学・歴史地理学の立場から、吉野川流域を中心とした古代デルタの開発に関わる地図的情報の収集と解析を行ってきた。研究最終年度にあたる本年度は、平成9年3月に徳島大学総合科学部で開催したシンポジウム「吉野川下流域の土地開発と古地図情報」にもとづいて、本研究代表者・分担者が研究成果報告書を作成した。研究成果報告書の作成にあたっては、研究代表者・分担者による打ち合わせ会議を、12月に徳島大学総合科学部において開催した。
研究成果報告書の主たる内容は、東大寺正倉院に所蔵されている「阿波国名方群新島庄絵図」と「同郡大豆処図」をもとに、新島庄の立券について検討を加えた「開発・改修計画図としての庄絵図-新島庄大豆処・枚方両地区絵図-」(丸山)、徳島大学蔵本構内における弥生遺跡および条里型地割の発掘成果を解析した「吉野川下流域における初期灌漑施設と条里遺構」(北條・東)、吉野川流域にあたる阿波国(徳島県)「北方」地方を図示した近世絵図を中心とした古地図リストの作成および吉野川の名称等について検討した「吉野川流域の地図的情報の収集と解析」(平井)、徳島大学付属図書館に所蔵されている3種類の近世期における阿波国絵図の分析から、近世初頭の下流デルタにおける村の成立と開発状況を検討した「阿波国絵図における吉野川下流と村」(藤田)である。この他に、これまでの吉野川下流域の荘園および土地開発に関する諸研究を総括した「新島庄関係文献解題」(丸山)も収録した。