1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07451086
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山代 宏道 広島大学, 文学部, 助教授 (80113372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前野 弘志 広島大学, 文学部, 助手 (90253038)
長田 浩彰 広島大学, 総合科学部, 助教授 (40228028)
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Keywords | 異民族 / 異文化 / 統合同化 / ギリシア植民 / ノルマン征服 / ドイツ・ユダヤ人 / アイデンティティー |
Research Abstract |
・まず、現代社会の異民族、異文化接触が引き起こす諸問題に関する文献・資料を収集した。収集した文献・資料を通読・分析することで、接触・対立・共存・同化・融合等の事例を取り上げ、そこに含まれている問題の本質を類型的に整理することを試みた。 ・同時に、ギリシアの植民(前野担当)、ノルマン征服(山代担当)、ユダヤ人同化(長田担当)にかかわる文献・資料を、各自が収集、分析した後、共通の場での報告・討議を通じて同様の事例に見られる問題の類型化を行なった。古代、中世・現代における事例の比較検討を全員で行い、問題の性質における類似性の有無を確認した。 ・本年度中に、各研究分担者は、それぞれ5回の個別報告を行い、ギリシア植民、ノルマン征服、ドイツでのユダヤ人の同化の問題については、分担者相互間の理解を深めることができたが、これらの個別テーマが、古代地中海世界や中世・近現代のヨーロッパ社会において、どのように位置づけられるのか、いまだ十分に論じられているとはいえない。 ・また、各時代のテーマに関する異民族接触をめぐる諸問題と現代社会における諸問題との比較も、さらなる討議が必要である。いわば、本年度の研究計画のうち、個別研究については十分に行われたが、共同研究の側面においては、討議が十分であったとはいえない。 ・さらに、地域社会のアイデンティティーの成立と、国民的アイデンティティーの成立との関係を究明することが課題として残されている。
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[Publications] 山代宏道: "1075年反乱と歴史家たち" 広島大学文学部紀要. 55. 79-98 (1995)
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[Publications] 長田浩彰: "あるべき「ドイツ・ユダヤ人」像の模索-「ドイツ民主主義ユダヤ人連合」(1921-35)の主張を中心に-" 史学研究. 208. 39-57 (1995)
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[Publications] 前野弘志: "前5世紀におけるアテ-ナイ植民者の市民権-その両義性をめぐって-" 西洋古典学研究. 43. 32-41 (1995)
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[Publications] 山代宏道: "ノルマン征服と中性イングランド協会" 渓水社, 496 (1996)