1997 Fiscal Year Annual Research Report
経済学における「法と制度」の位置と役割に関する学説史的研究-英米を中心に-
Project/Area Number |
07453003
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Research Institution | KYUSYU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
高 哲男 九州大学, 経済学部, 教授 (90106790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 廣治 熊本学園大学, 経済学部, 教授 (30040778)
磯谷 明徳 九州大学, 経済学部, 助教授 (60168284)
田北 廣道 九州大学, 経済学部, 教授 (50117149)
関 源太郎 九州大学, 経済学部, 教授 (60117140)
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Keywords | 制度経済学 / 進化論的経済学 / 法と経済制度 / 市場制度 / 社会進化論 |
Research Abstract |
本研究の課題は、経済学における「法と制度」の位置と役割を学説史的見地から解明することであったが、3年間におよぶ共同研究の結果、およそ以下のことが明確になった。 (1)データ・ベースについては、数量的に相当数の文献を入力することができたが、多彩な「制度」の特徴に合わせて「分類」することができなかったために、相互に利用可能なシステムとして「統合」できなかった。応用ソフトの開発が今後の課題である。 (2)とくに経済学の基本的前提である「私有財産制度」の理論的把握という点で、「プロト工業化」からロックの時代、スミスから19世紀末の時代、とくに株式会社制度の体制化と労働組合の制度化、および労働組合の体制化という、大別して概念上相異なる「3段階」がある。 (3)19世紀以後の経済学と法学との関係は、一方では「私有財産」制度の拡張であり、他方では新しい政治的枠組みの形成を通じて、「拡大し行く私有財産権」の法的位置を確定しようとする過程である。 (4)現代社会の制度分析は、何よりもまず「現代的な制度」の体系を歴史的・論理的に解明し、その重層構造を明確化しなければ、理念的・観念的な社会モデルの提示に終始する。つまり、現代の市場経済を私的経済主体間の取引とのみ理解するだけでは、現実に大きな役割と位置をもつ法人・組織内および相互間の取引や政府の規制・割当取引などのもつ固有の意義を見失い、有効な処方箋を提示できなくなることを明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 田北廣道: "「市場史への射程」問題提起" 社会経済史学. 63・2. 265-287 (1997)
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[Publications] 磯谷 明徳: "「市場史への射程」コメント-経済学から" 社会経済史学. 63・2. 101-110 (1997)
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[Publications] 磯谷 明徳: "「制度の経済学」と貨幣・労働のダイナミクス-経済社会システムの制度分析にむけて-" 進化経済学論集. 1. 263-282 (1997)
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[Publications] 中村 廣治: "ロックによる市有財産の弁証" 熊本学園大学経済論集. 4:1・2. 1-22 (1997)
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[Publications] 高 哲男: "『歴史学派の世界』住谷・八木編著「第7章アメリカ制度学派の形成とドイツ歴史学派」執筆" 日本経済評論社, 296(145-170) (1998)
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[Publications] 田北廣道: "『現代経済システムの展望』伊東・徳糖編,「第12章、西欧工業化期の経済と制度」用地「第4章.The Hierachical Market-Firm Nexus and the Postiear Japanese Econory」磯外" 九州大学出版会, 287:(265-287,69-90) (1997)