1996 Fiscal Year Annual Research Report
乗用車の製品コンセプトの形成に関する研究:開発者の意図と消費者の知覚
Project/Area Number |
07453013
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Research Institution | KOBE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
石井 淳藏 神戸大学, 経営学部, 教授 (50093498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大津 正和 和歌山大学, 経済学部, 助教授 (20243371)
正司 健一 神戸大学, 経営学部, 助教授 (70127372)
吉田 順一 神戸大学, 経営学部, 教授 (40210695)
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Keywords | 製品コンセプト / ブランド・アイデンティティ / ダイアローグ / オート・モビリティ / 複数台保有 / 乗用車 / サステイナビリティ / 交通需要マネジメント |
Research Abstract |
乗用車の製品コンセプト形成にこだわることを第一目的としたわれわれの研究は、消費者の欲望と企業の提供する製品の対話といった、言わばポスト・モダンのマーケティングの議論でもあった。その一方で、くるまとは何かの議論を深めることで、自動車が社会に与えた広範で深遠なインパクトの解明への序論的性格もおびたものであった。このような目的を意図して行ったわれわれの研究でえられた知見のうち重要なものとしては、下記のようなものが挙げられる。 まず前半の議論に関しては、ブランドとプロダクトの相互依存性・ブランド・アイデンディティは、事後的にしか本質的には確定しないこと、マーケティング・プロセスを「コミュニケーション」プロセスとして捉えるべきこと、その病理性が問題であるとともに、有効な戦略方針であってもそれ自体がこのプロセスを隠蔽するリスクを内包していることが研究を通して明らかになった。 乗用車の製品コンセプトないしイメージがどのように消費者に捉えられているかを解明する課題に対するパイロット調査から、公共交通機関へのアクセシビリティでコントロールした上で、複数台保有世帯ほどいわゆるファミリー・カ-といったイメージが意識されていない可能性を明らかにした。車社会の今後を考える上での意義、道路政策上の含意は何かについても、無秩序な自動車利用の増大の限界のなかで、われわれはどのような対処策を検討しなければならないが、課題整理、論点抽出に大きな前進を遂げることができた。 本研究だけで、くるまをめぐる議論がすべて解明されたわけではもちろんない。しかし、われわれの共同作業によってその重要な第1歩を踏みだすことができたと確信できる。
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[Publications] 石井淳藏: "ブランドアイデンティティのダイナミクス" 神戸大学経営学部ディスカッション・ペ-パ-. 9646. 1-22 (1996)
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[Publications] 石井淳藏: "ルールは遅れてやってくる:意思決定者の不安の基礎にあるもの" 神戸大学経営学部ディスカッション・ペ-パ-. 9701. 1-23 (1997)
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[Publications] 吉田順一: "成熟消費社会をデザインする(1),(2),(3)" 情報(大阪デザインセンター). 104,105,106. 18-21 18-21 16-19 (1995-1996)
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[Publications] 正司健一: "経済学的視点からの項痛需要マネジメント:ロード・フライシングの有効性と受容性" 交通科学(大阪交通科学研究会). 26(2)(未刊). (1997)
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[Publications] 大津正和: "家族と自動車:複数台保有とイメージ" 経済理論(和歌山大学). (7月号 予定). (1997)