1995 Fiscal Year Annual Research Report
高速液体クロマトグラフィーによる金属錯体の分離のための新手法
Project/Area Number |
07454252
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
赤岩 英夫 群馬大学, 工学部, 教授 (60008414)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相澤 省一 群馬大学, 工学部, 助手 (20008527)
角田 欣一 群馬大学, 工学部, 助教授 (30175468)
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Keywords | 高速液体クロマトグラフィー / 金属ジチゾン錯体 / 金属アセチルアセトン錯体 / 付加錯体 / シリカ充填剤 / ピリジル基 |
Research Abstract |
1.数種の金属ジチゾン錯体に関して逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による分離を試みた結果、良好な分離条件を見いだすことが出来た。さらに、移動相に種々のピリジン塩基、あるいはTOPO(トリオクチルホスフィンオキシド)などの錯形成剤を加え、その添加効果を検討した。その結果、TOPO添加により、付加錯体形成が観測され、保持の増大、感度の上昇などの効果が得られた。一方、1,10-フェナントロリンはマスキング効果を示し、その添加濃度により、特定の金属ジチゾン錯体をマスクすることが可能であった。こうした付加錯体形成効果やマスキング効果の程度はこれまで溶媒抽出の分野で得られている付加錯体生成定数や錯イオンの生成定数により説明されることが分かった。 2.固定相の錯形成(付加錯体形成)脳を分離の原動力とする新しいHPLCを開発するために、種々のピリジン塩基を有するシリカ固定相を合成した。とくに、N原子の立体障害が大きい2-エチルピリジル基と立体障害がない4-エチルピリジル基を有する固定相を合成した。これら固定相をHPLCカラムとして、順相系溶媒を用い、種々の金属アセチルアセトン錯体の相互分離を試みた。その結果、配位飽和型の錯体は、ほとんどカラムに保持されなかったのに対し、配位不飽和型錯体はカラムに保持された。このことからカラムへの保持は、予想通り、錯体への固定相ピリジル基の配位、すなわち付加錯体生成であると考えられる。
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