1995 Fiscal Year Annual Research Report
大気圧プラズマを利用したラジカル反応加工におけるラジカル生成機構の解明
Project/Area Number |
07455063
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森 勇藏 大阪大学, 工学部, 教授 (00029125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 泰久 大阪大学, 工学部, 助手 (40252598)
山村 和也 大阪大学, 工学部, 助手 (60240074)
山内 和人 大阪大学, 工学部, 助教授 (10174575)
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Keywords | プラズマCVM / プラズマCVD / 大気圧プラズマ / パルス変調 / ラジカル / 分解過程 |
Research Abstract |
本研究では、大気圧プラズマを利用したプラズマCVMやプラズマCVDにおいてプラズマ領域の局在化と電極や加工物基板からの2次電子や熱電子放出に伴う放電の不安定化を抑止することを目的に、パルス変調による電力投入を提案している。この目的を達成するためには、定性的にはパルス変調幅をできるだけ短くすることが望まれるが、反応ガスの分解には熱活性化過程を伴う場合も予想され、この場合にはパルス幅を電子励起された反応ガスが分解するまでの時間以上にとる必要がある。 このことより、本年度は電子励起後の反応ガスの分解過程を観察するために、電力投入開始後にプラズマが発生し、定常なプラズマ状態へと移行する際の励起種からの発光スペクトルの時間分解計測を実施した。その結果、プラズマCVMにおいてFラジカル源として利用されるSF_6ガスでは、Fラジカルからの発光は、プラズマ発生直後から観察され、Fラジカルの発生量は今回の実験で実施した1μsecより大きなパルス幅の領域では、投入されたトータルエネルギにほぼ比例することが明らかとなった。一方、水素分子の分解過程では、分子状態の励起が起こった後のHラジカルへの分解が起こりにくく、数10μsecの間に徐々に分解が進行することが分かり、効率良くHラジカルを発生させるためにはパルス幅を大きくとる必要があることが分かった。この場合、プラズマの局在化や放電の不安定化の抑止のためには、パルス幅の最適値を見つけ出す必要があり、今後の課題である。
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