1995 Fiscal Year Annual Research Report
KL-展開と確率微分方程式による乱流の力学系表現に関する研究
Project/Area Number |
07455084
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中村 育雄 名古屋大学, 工学部, 教授 (00023127)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角田 博之 山梨大学, 工学部, 助教授 (10207433)
辻 義之 名古屋大学, 工学部, 助手 (00252255)
櫛田 武広 名古屋大学, 工学部, 助手 (90109281)
酒井 康彦 名古屋大学, 工学部, 助教授 (20162274)
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Keywords | 乱流 / 乱流境界層 / フラクタル / 乱流拡散 / 確率微分方程式 |
Research Abstract |
平成7年度の研究計画は3項目あり、それぞれについて以下のように行われた。 1.現有の風洞(吹出し口、高さ0.3m×幅1m、長さ2m)の乱流境界層の平均速度分布、通常の乱れ分布を測定して、標準的乱流境界層が発達していることを確認した。KL展開においては多点同時測定が必要なため、24台の自作の熱線風速計を完成した。これは線形化計算をすべて大型計算機で処理する形式である。また24本の熱線プローブを作成した。これは間隔が1mmでテイラーのマイクロスケールの程度である。これにより多点相関が得られKL基底を求め速度分布の再構成に成功した。KL展開は時間的な構造同定には有効であるが空間的には問題がある。 2.乱流に適した確率微分方程式のシミュレーションではフラクタルブラウン運動をランダム項にもつ確率微分方程式を調べた。通常はこれには白色ノイズが用いられるが、フラクタルブラウン運動を利用することによって、-5/3スペクトル、間欠性をとり入れたシミュレーション結果は実験データをよく再現することが明かとなった。またK-ダイバージェンスによる確率密度関数の比較を行い有効性を確かめた。この方法は2次元への拡張が必要であることが認められた。 3.管内乱流拡散の研究においては確率微分方程式により平均濃度分布のシミュレーションを行い、実験結果と比較した。平均濃度分布の自己保存性が完全に表現できた。また断面内の等濃度線の決定ができた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 酒井 康彦: "確率モデルによる管内乱流拡散に関する研究" 日本機械学会論文集(B編). 61. 853-860 (1995)
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[Publications] 中村 育雄: "壁面せん断流中の物質拡散の研究(第1報、円管壁面点源プルームの相似性)" 日本機械学会論文集(B編). 61. 1592-1599 (1995)
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[Publications] Ikuo NAKAMURA: "An Application of Differential-Geometrical Methods in Statistics to a Tyrbulent Flow Field" Proc.10th Symp.on Turbulent Shear Flows. 3. p3.13-p3.16 (1995)
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[Publications] Yoshiyuki TSUJI: "On the Turbulent Velocity Representation by Fractional Brownian Motion" Proc.10th Symp.on Turbulent Shear Flows. 2. P2.55-P2.59 (1995)