1996 Fiscal Year Annual Research Report
アクテイブ流動制御によるスロッシングの制振特性と制振メカニズムの解明
Project/Area Number |
07455106
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Research Institution | SCIENCE UNIVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
原 文雄 東京理科大学, 工学部第一部, 教授 (90084376)
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Keywords | スロッシング / アクテイブ制振 / 水ジェット / 間欠吹き出し / タンク水循環 / 渦生成 |
Research Abstract |
本研究では、600x500x50の矩形タンク内の水の2次元スロッシングに対して、タンクの左右側面下部に取り付けたノズルから間欠的に内容液(水)をタンクのスロッシング液(水)に吹き出すことで、内容液に流動を与え、その間欠的吹き出しのスロッシングに対するタイミングと吹き出し時間、吹き出し角度がスロッシングに与える影響を実験的に検討し、タンク内液の流動とスロッシングの制振特性との関係を解明する。また間欠的な内容液の吹き出しによるスロッシングの制振が顕著な場合の内容液の流動パターンの可視化から本方法によるスロッシングの制振メカニズムを検討する。 まず対象タンクに300mmの水深まで水を入れ、そのタンクを正弦波加振台に設置し、このタンク内水を循環させてタンクの左右側面下部のノズルから、間欠的に吹き出す実験装置を製作した。振動台を固定し、水ジェットの吹き出し周期を変化させ、タンク内水の振動の変位を測定した。この実験を水ジェットの吹き出し時間をパラメータとして実施し、水ジェットの吹き出し周期、または吹き出し振動数に対するスロッシングの周波数応答特性を明らかにしたところ、この水ジェットの吹き出しは、スロッシングを十分に励起する事が判明した。次に振動台でタンク内水の第1次スロッシングを十分に励起させてから、スロッシングの液面変位の平衡点に対する水ジェットの吹き出しタイミングを変化させ、スロッシングの定常変位を測定し、水ジェットのタイミングとスロッシングの定常変位との関係を実験的に検討した。この検討を水ジェットの吹き出し時間、吹き出し角度をパラメータとして実施した。その結果、いずれの吹き出し時間や吹き出し角度でも、水ジェットの吹き出しタイミングには、スロッシングを極めて効果的に制振させることのできるタイミングのある事が判明した。さらに、この制振効果の顕著な水ジェット吹き出しタイミングにおけるタンク内水の流動パターンを可視化して解析した結果、タンクの左右両半域に互いに反対向きの大きな渦が存在する事を明らかにした。これは、水ジェットの間欠的吹き出しによって、タンク内水の流動パターンをスロシッングに特有な下凸の往復流動から、渦流動のパターンにアクテイブに制御したことによると考えられる。スロッシング流動のFEM解析プログラムを作成し、スロッシングの正弦波加振応答を数値計算し、その妥当性を実験と比較して確かめた。しかしタンクの左右側面下部からの間欠的水ジェット吹き出しのあるスロッシング流動とジェットによる流動の共存するタンク内水流動のFEM解析には解決すべき問題が残された。
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