1995 Fiscal Year Annual Research Report
顕微ラマン-SECM-AFM複合システムによる耐食皮膜の局部腐食過程のその場解析
Project/Area Number |
07455283
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
三沢 俊平 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (70005982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 英之 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (00235061)
酒井 彰 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (70136422)
田辺 博義 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (70125376)
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Keywords | 走査型電気化学顕微鏡 / 高窒素ステンレス鋼 / 孔食発生 / 顕微レーザラマン分光 / 水素イオン分布 / 塩素イオン分布 / 不動態皮膜破壊 / その場測定 |
Research Abstract |
初年度において、これまで実測されていなかったオーステナイトステンレス鋼(Type 304,316L,316LN)の不動態皮膜が塩化物イオン(Cl^-)により局部破壊される孔食の前駆〜初生過程、ピッチ内部におけるプロトン(H^+)、Cl^-の濃度空間分布を、極細針pHセンサーと定電位パルス印加によるその場走査型電気化学顕微鏡(in-situ SECM)を用いて、10nmオーダの高分解能でその場測定することに成功した。カソード分極、続いてアノード分極による定電位ダブルパルスを基板電極上の局部位置に設置された探針に印加し、その電流応答から2種類の反応関与イオンを同時に検出可能なダブルパルス印加(クロノアンペロメトリック)モードを考案したのは本研究が最初と思われる。Type304鋼では、孔食前駆過程における不動態皮膜界面でのCl^-とH^+濃度のよく対応した局在化分布が明瞭であるのに対して、耐孔食性に優れたType316くん鋼では両イオン濃度の局在化分布は無特徴的で検出信号値の変化量も小さい皮膜性状であることを実験的に観察できた。さらに、顕微レーザラマン分光システムにより、定電位に分極された高窒素ステンレス鋼(Type 316LN)の電極界面の微小領域における孔食発生過程における腐食反応化学種のその場観察を実施して、孔食前駆過程における窒素酸化イオン種NO_3^-の不動態皮膜自己修復機能を示唆する結果を得た。 電気化学的原子間力顕微鏡(AFM)が稼働し、トリチウム電顕オートラジオグラフィ法による金属中の水素分布の可視化ができるようになったので、これら複合システムによるステンレス鋼、耐環境性金属間化合物の表面皮膜性状のその場解析技術の確立を目指した研究を、さらに展開したい。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] H.Tanabe: "In situ ionic imaging for pitting corrosion sites on austenitic stainless steels with scanning electrochemical microscopy" Materials Science Forum. 185-188. 991-1000 (1995)
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[Publications] H.Saitoh: "Hydrogen distribution in Co_3Ti intermetallic compuund by tritium electron microautoradiography" Journal of Materials Science Letters. 15. 23-25 (1996)
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[Publications] T.Misawa: "In-situ observation of dynamic reacting species at pit precursors of nitrogen-bearing austenitic stainless steels" ISIJ International. 36(印刷中). (1996)
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[Publications] H.Tanabe: "Cathodic behavior of boron and chromium added Ni_3 (Si,Ti) intermetallics having high resistance to hydrogen-induced embrittlement" Intermetallics. 4(印刷中). (1996)