1996 Fiscal Year Annual Research Report
エキシマレーザー光及びエキシマランプ光を用いた高機能セラミック材料の開発
Project/Area Number |
07455296
|
Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
中山 斌義 近畿大学, 理工学部, 教授 (60023313)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 人志 近畿大学, 理工学部, 助手 (20257968)
橋新 裕一 近畿大学, 理工学部, 助手 (90156266)
久保 宇市 近畿大学, 理工学部, 教授 (80088335)
|
Keywords | レーザーインプランテーション / 表面改質 / セラミックス / 透明電極 / 生体親和性材料 / アルミナ / ハイドロキシアパタイト / 疑似生体液 |
Research Abstract |
本研究で新たに得られた知見は以下の通りである。 1.表面導電性絶縁材料の場合 (1)レーザーアブレーション法によりSiO_2上にTiN薄膜を形成する事が出来た。そのシート抵抗は600Ω、透過率75%であり、良好な透明電極を形成する事が出来た。 (2)シート抵抗値及び透過率はレーザーショット回数に依存し、最適値を見つける事が出来た。 (3)TiN分子の生成反応過程を解明した。 (4)レーザーアブレーション法によるAl薄膜形成を試みる過程において、可視発光するアルミナを見つけた。 2.生体親和性材料の場合 (1)Al_2O_3上にハイドロキシアパタイト層を形成する事が出来た。 (2)形成されたハイドロキシアパタイト層の結晶性はレーザー照射によっても変化しない事が確認された。 (3)形成される層の厚みはレーザーショット回数、照射密度に依存する。 (4)層表面の凹凸は1μm程度である。 (5)作製した試料を疑似生体溶液に浸漬したところ、試料表面に真性骨の形成が見られ生体親和性を確認することが出来た。 本研究で目的としていた成果はおおよそ達成された。照射方法を工夫することで上記1、2の材料の開発が進んだ。2では、開発した材料は真性骨の形成を実現し、生体親和性材料開発の観点からは極めて良好な結果を得、学会でも高く評価されている。また、基板の材料としてアルミナではなくチタンについても実験を開始し、新しい材料の開発を進めつつある。1の透明電極は既に実用に耐えうるが、もう1桁程度抵抗値が下げるような条件を見い出せれば申し分は無い。副次的に得られた可視発光アルミナ薄膜は新しい研究対象として発展の可能性がある。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 松谷、熊崎、中山、久保: "生体硬組織代謝材料の開発" 第16回日本レーザー医学会大会論文集. 16. (1996)
-
[Publications] 熊崎、松谷、中山、久保: "レーザーを用いた生体硬組織機能材料の開発" 近畿大学理工学部研究報告. 32. 55-59 (1996)
-
[Publications] 松栄、松谷、中山、久保: "レーザーアブレーション法により作成したAl薄膜の可視発光" 近畿大学理工学部研究報告. 33. (1997)