1995 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロポーラスヘテロポリ酸の合成と分子形状選択反応
Project/Area Number |
07455318
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
奥原 敏夫 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (40133095)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中戸 晃之 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助手 (10237315)
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Keywords | ヘテロポリ酸 / 超強酸 / ミクロ孔 / 分子形状選択性 / 分子吸着 |
Research Abstract |
マイクロポーラスな触媒の代表として、ゼオライトが良く知られており、最近様々な細孔をもつ新規なゼオライトが合成されている。しかし、ゼオライトはヘテロポリ酸に比べて酸強度が弱く、特に液相反応には極めて低活性である。一方、ヘテロポリ酸のCs酸性塩は液相でのアルキル化、エステル分解にゼオライトやH_2SO_4に比べ圧倒的に高活性であることを見出している。本研究では、大変興味深いことに、H_3PW_<12>O_<40>のCs酸性塩でCsの置換量を変化させることによって、その固体の細孔の大きさをコントロールすることができることを見出した。N_2吸着法および分子サイズの異なる様々な分子の吸着を利用するモレキュラープローブ法によって、これらCs塩の細孔の大きさを直接的に決定した。Cs_<2.5>H_<0.5>PW_<12>O_<40>ではミクロ孔とともにメソ孔(直径約40Å)が共存していた。また、酸性塩の一種、Cs_<2.2>H_<0.8>PW_<12>O_<40>の細孔は約7Åであることを解明した。これらの触媒材料は、サイズの小さい分子のみを吸着する分子ふるい特性を示した。さらにこの触媒を用いて様々な液固系反応(脱水、エステル分解、アルキル化)を行ったところ、触媒の細孔によって反応分子を識別し、反応速度を制御するいわゆる“分子形状選択性"を示すことを明らかにした。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] S.Sawami,T.Okuhara,M.Misono: "Gas phase symhesis of methyl tert-butyl ether over heteropoly acid" J.Mol.Catal.,. 100. 49-59 (1995)
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[Publications] 奥原敏夫: "マイクロポーラスヘテロポリ化合物" 触媒. 37. 630-635 (1995)
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[Publications] "固体酸によるイソブタンのアルキル化" ペトロテック. 18. 838-839 (1995)
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[Publications] T.Okuhara,T.Nishimura M.Misono: "Microporous Heteropoly Compounds as a shape selective catolyst:Cs_<2.2>H_<0.8>PW_<12>O_<40>" Chem.Lett.,. 1995. 155-156 (1995)
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[Publications] T.Okuhara,N.Mizuno,M.Misono: "Catalytic Chemistry of Heteropoly Compounds" Advances in Catalysis. 41. 113-252 (1995)