1995 Fiscal Year Annual Research Report
新規石炭解重合法の開発-エキシマーレーザーの応用-
Project/Area Number |
07455323
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野村 正勝 大阪大学, 工学部, 教授 (10029184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 聡 大阪大学, 工学部, 助手 (70219921)
三浦 雅博 大阪大学, 工学部, 助教授 (20183626)
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Keywords | エキシマレーザー / 石炭解重合法 / 炭素-ヘテロ原子結合 / イリノイNo.6炭 / アッパーフリーポート炭 |
Research Abstract |
エキシマーレーザーは高分子化合物に含まれるいくつかの化学結合を選択的に開裂することが可能な表面精密加工技術として近年注目を浴びている。本研究では石炭有機質に含まれる炭素-炭素結合もしくは炭素-ヘテロ原子結合を効果的に切断し、石炭を低分子化することによって石炭の化学構造およびレーザー照射に伴う構造の変化を解明することを目的としている。今年度は、試料セルを新規に作成し、米国のイリノイNo.6炭およびアッパーフリーポート炭を対象に種々の条件下でレーザー照射実験を行った。この際、レーザービームの照射面積を変えることにより試料に照射されるエネルギー量を変化させ、昇温速度および反応温度の制御を行った。エネルギー密度が低い場合(0.02W/mm^2)、どちらの石炭でも加熱による変化は観察されなかったが、0.035W/mm^2までエネルギー密度を増加させると、試料からの揮発分生成が観測された。さらにエネルギー密度を増加させると(0.02W/mm^2)、試料が赤熱するのが観測され、多量の揮発分生成がみられた。また、揮発分生成量はランク依存性がみられ、低ランクのイリノイNo.6炭で増加する傾向が観測された。得られた処理生成物のSEM観察では、エネルギー密度0.035W/mm^2までは表面構造に大きな違いは見られなかったが、エネルギー密度0.2W/mm^2では粒子の融着が観測された。現在、処理生成物の詳細な分析を行っており、来年度は、さらに5炭種程度のランクの異なる石炭を用いてランクによるレーザー照射の効果の違いについて検討を行う予定である。
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