1996 Fiscal Year Annual Research Report
電子共鳴プラズマを活用した新超硬材料窒化炭素および菱面体窒化ホウ素の合成と評価
Project/Area Number |
07455429
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
大塩 茂夫 長岡技術科学大学, 工学部, 教務職員 (90160473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 一典 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (00143826)
斉藤 秀俊 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (80250984)
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Keywords | 窒化炭素 / 窒化ホウ素 / CVD / PVD / DLC / 微小押し込みクリープ試験 / Randoor.Covalent Networks理論 |
Research Abstract |
本研究では新材料窒化炭素膜や窒化ホウ素膜を創製し、窒素組成を十分大きくすることで発現する膜の新機能を調査することを目的としている。平成8年度においては、ECRプラズマCVD法に加えて、イオンビームスパッタリング法やマグネトロンスパッタリング法のPVD法によって作製された窒素含有炭素膜の構造と窒素組成を調査し、さらにそれを制限する要因を明らかにした。一方、窒素含有炭素膜の機械特性評価に微小押し込みクリープ試験法を初めて適用し、この方法が膜の微細構造変化をとらえる手法として有効であるかを検討した。種々の方法で作製して得られた硬質窒素含有炭素膜は、ダイヤモンド様炭素(DLC)構造を基本構造としており、窒素組成は[N]/([N]+[C])比で0.08に制限された。この結果は、窒素含有炭素膜における窒素組成は作製プロセスによらず、膜の基本構造で制限されることを示唆している。窒素組成の制限について、アモルファス構造の安定性にもとづいたRandom Covalent Networks理論を硬質窒素含有炭素膜に初めて適用して理論窒素組成を求めたところ、窒素組成は実験で得られたそれとほぼ一致し、硬質窒素含有炭素膜における窒素組成は構造的要因によって制限されることが明らかとなった。膜の微細構造変化は、微小押し込みクリープ試験法により一定荷重500mNで10s間のクリープ特性で調査した。その結果、窒素を含む炭素膜は含まないそれと比較して流動しやすいことがわかった。また、荷重を変化して流動の開始を観察したところ、流動開始のしきい値は、-C≡N結合が存在することで小さくなることも明らかになった。これらの結果から、この試験方法が膜の微細構造変化をとらえるのに有効な手法であることがわかった。
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Research Products
(1 results)