1997 Fiscal Year Annual Research Report
電子共鳴プラズマを活用した新超硬材料窒化炭素および菱面体窒化ホウ素の合成と評価
Project/Area Number |
07455429
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
大塩 茂夫 長岡技術科学大学, 工学部, 教務職員 (90160473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 一典 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (00143826)
斎藤 秀俊 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (80250984)
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Keywords | 窒化炭素 / 窒化ホウ素 / r.f.プラズマCVD / 流動性 / X線光電子分光法 / 赤外分光分析法 / 微小押し込みクリープ試験 / 歪み速度敏感係数 |
Research Abstract |
本研究では新材料窒化炭素膜や窒化ホウ素膜を創製し、窒素組成を十分大きくすることで発現する膜の新機能を調査することを目的としている。平成9年度においては、BCl_3/H_2/N_2/Arガスを減量としてr.f.プラズマCVD装置により窒化ホウ素膜を作製し、膜の組成と機能特性としての硬さおよび流動性を調査した。膜の厚さは、窒素を添加しないガス組成(BCl_3/H_2/Ar)、すなわちホウ素膜作製の条件で約4mumであったが窒素を添加し、その添加量増加にともない膜の厚さは減少した。ガス組成BCl_3/H_2/N_2の条件では膜の厚さは約0.5mumとなった。このことからBCl_3の分解あるいは堆積にArが重要な役割を果たしていると考えられる。 X線光電子分光分析法により膜の組成分析を行った結果、作製した膜はホウ素が主成分でありその含有率は約70%を占め、窒素はわずか5%程度しか含まれておらず窒素不足であることがわかった。さらに赤外分光分析法でホウ素-窒素結合を調査したところ、B-Nsp^2結合に起因する吸収が観測され、この吸収は窒素流量10sccmの条件で作製した膜について最も大きく観測された。 超微小連続押し込み硬さ計により膜の硬さ測定を行った結果、得られたB-N膜の押し込み硬さは約20GPa(荷重20mN)であり、a-BNと同程度で、DLC(14GPa)、Si(13GPa)、glass(5GPa)よりも硬い膜であった。さらに、微小押し込みクリープ試験法により流動性をあらわす歪み速度敏感係数(m値)を求めたところ、得られたB-N膜はSiのような結晶質に見られるきわめて低い値(0.001以下)ではなく0.005〜0.008とDLCやglassと同程度の非晶質特有の値になることがわかった。
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Research Products
(1 results)