1996 Fiscal Year Annual Research Report
ガスタービン用超高温耐熱材料の表面修飾とレーザー分光法による基礎解析
Project/Area Number |
07455432
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
新井 紀男 名古屋大学, 高温エネルギー変換研究センター, 教授 (40089842)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 敬幸 名古屋大学, 高温エネルギー変換研究センター, 助手 (90242883)
浅井 勝一 名古屋大学, 廃液処理施設, 助手 (60151007)
北川 邦行 名古屋大学, 高温エネルギー変換研究センター, 助教授 (00093021)
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Keywords | 高温 / C / Cコンポジット / ガスタービン / タービン翼 / コーティング / SiC / ガラス / 分光器 |
Research Abstract |
発電技術のうち近年主要技術となりつつあるガスタービンは、基本的に作動ガスの温度を上昇させることによりその発電効率を向上させることができるため、作動温度の上限といわれている1500℃を越えるガスタービン用耐熱材料を開発することが重要である。 そこで、本研究では、不活性雰囲気下に於いて2000℃以上でも優れた材料強度を有する炭素繊維強化炭素複合材料(以下C/Cコンポジット)を用いた耐熱材料を開発することを目的とし、C/Cコンポジット表面を耐熱および耐活性化学種機能を有する表面修飾の材料および化学形態を探索することを目的としている。 本研究は、平成7年度および8年度の2年間で実施し、平成8年度では以下の項目を実施し、有用な知見を得た。 1.メタン-空気燃焼を用いて、雰囲気を制御した1500℃以上の高温雰囲気におけるC/Cコンポジット基材、上記コーティングを施したC/Cコンポジット、さらにガラス質を用いて2種コーティングしたC/Cコンポジットの劣化実験を行い、コーティング材料の違いによる劣化特性の相違を検討した。その結果、ZrSi_2,HfSi_2を含むガラス質による2重コーティングによって、1500℃の高温条件下においても10時間の曝露による重量減少は認められなかった。 2.C/Cコンポジットを高温化学炎(予混合の平面空気/アセチレン炎)中に吊して、その炎中に存在しているOH、CHおよびC_2バンドの発光を分光ビデオカメラ(分光器とビデオカメラを組み合わせた装置)を用いて撮影し、これらの撮影した画像を解析することで、材料が劣化していく過程を検討した結果、OHやC_2バンドの発光の画像を撮影することで、C/Cコンポジットなどの耐熱材料の劣化の過程と、その場における劣化を観察することができたこと、および、炎中に水が存在すると試料の劣化が速くなることが確認された。
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[Publications] 小林敬幸ら: "メタン-空気過濃燃焼ガス中におけるC/Cコンポジットの劣化特性" 化学工学論文集. Vol.22. 234-240 (1996)
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[Publications] N.Araiら: "Improvement of High-Temperature Endurance of C/C Composites by Double Coating with SiC and Glass Materials" Journal of Chemical Engineering of Japan. Vol.29. 669-674 (1996)
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[Publications] N.Araiら: "Evaluation of High Temperature Oxidation Behavior of Carbon-Carbon Composites Exposed in the Field of Combustion by Using Raman Spectroscopy" Journal of Chemical Engineering of Japan. (印刷中).