1996 Fiscal Year Annual Research Report
天然ガスと石炭との共反応による液体燃料合成の基礎研究
Project/Area Number |
07455435
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤元 薫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (30011026)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富重 圭一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (50262051)
中村 育世 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (30251367)
|
Keywords | 天然ガス / 石炭 / 炭素表面 / 水素のスピルオーバー / 炭素析出 |
Research Abstract |
天然ガスの主成分であるメタンを直接化学原料へ転換するための新しいプロセスが熱望されている。これまでの数多くの研究から、メタン酸化カップリング反応において、メチルラジカル2分子からC_2炭化水素が生成することが分かった。しかし、並行してメチルラジカルと酸素分子の気相反応が進行するため、C_2炭化水素の選択性及び活性の限界が示唆されてきた。そこで、本研究では、炭素を脱水素剤としたメタンのカップリング反応を検討した。ここで用いる炭素は、反応性から、グラファイト構造の発達しない非晶質炭素(石炭)が適していると考えられるため、メタンと石炭からC_2炭化水素を一旦合成し、それによりC_2炭化水素を液体燃料に転換することが可能となる。本研究では、メタンと褐炭として知られているヤルーン炭のチャーを用いた。メタンとヤルーン炭チャーの共反応を行ったところ、反応は1273K程度から進行し始めるが、反応ガスとしてメタンのみを供給すると、炭素析出が進行してしまうことが分かった。そこで、流通ガスとしてメタンと共に水素を流通し、また石炭に金属、酸化物、硫化物を担持し、これらを用い、水素のスピルオーバーを利用して炭素表面上の水素吸着量を制御し、炭素の析出反応の抑制を試みた。その結果、炭素析出は抑制されたものの活性炭素面上のラジカルサイトに水素が吸着することによりメタン転化率の大幅な減少が観測された。
|
-
[Publications] 冨重圭一: "天然ガスの化学的転換技術" 触媒. 38. 611-617 (1996)
-
[Publications] 藤元 薫: "天然ガスの化学的液化技術" 日本エネルギー学会誌. 75. 390-399 (1996)
-
[Publications] H.Yagita: "Catalytic Dehydrogerative Coupling of Methane on Active Carbon:Effect of Metal Supported on Active Carbon" Catalysis Today. 29. 433-436 (1996)
-
[Publications] I.Nakamura: "Transfer-cracking of Vacuum Residue" Catalysis Today. 29. 245-250 (1996)
-
[Publications] I.Nakamura: "Development of New Disposble Catalyst for Waste Plastics Treatment for High Quality Transportional Fuel" Catalysis Today. 27. 175-179 (1996)