1996 Fiscal Year Annual Research Report
下水処理水の都市近郊林への散布による浄化処理に関する研究
Project/Area Number |
07456074
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
千葉 喬三 岡山大学, 農学部, 教授 (10036741)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋 一徹 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (80274017)
坂本 圭児 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (90205766)
山本 進一 岡山大学, 農学部, 助教授 (60191409)
吉川 賢 岡山大学, 農学部, 助教授 (50166922)
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Keywords | 都市近郊林 / 下水処理水 / 水質浄化 / 物質循環 |
Research Abstract |
下水道処理水の都市近郊林への散布処理して有効資源を地域の物質循環系へ組み入れることを目的に処理水の散布法や森林ならびに周辺環境への影響についての基礎的データを得ることを目的として以下試験研究を行った。試験は岡山市南東部に位置するマツ二次林で行った。下水1次処理水はポンプで貯留タンクを経由して林地に設置した総延長150mの多孔パイプから12時間間隔で散布する試験システムを設置した行った。その結果、処理水中の主要イオンのうち、1価のカチオンが散布地点から比較的近い地点の土壌表層部分に蓄積するのに対して、2価のカチオンでは、散布開始後3ヶ月が経過した時点で、散布地点から斜面下方約20m付近の深さ40cm付近に高い濃度で蓄積する事実を明らかにした。これまでの研究から、2価のカチオンは一般に土壌溶液の電気的バランスを保つ働きがあることが知られているが、下水1次処理の散布にあたっても、含有窒素の硝化にともなう土壌溶液のアニオン過多にたいするバランスをとるために土壌溶液中に放出され移動したものと推測された。 また、これら元素が土壌深部の斜面下方20m付近まで短期間に移動している事実は、下水処理水の林地への散布にともない、広範囲にわたり土壌交換態カチオン温度が変動することを意味しており、その植生への影響を長期にわたりモニタリングする必要性が示唆された。しかし、安定同位体元素を用いた下水処理水中の無機態窒素動態解析から、窒素についてはその大半が散布地点付近の土壌粒子に吸着されており、散布水中の肥料成分の有効性は一定の狭い範囲に限定される事実が判明した。これらの成果から、下水1次処理水の散布に際しては、林地にある程度高い密度で散布システムを配置し、少量づつの散布が効果的であると考えられた。
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Research Products
(2 results)