1995 Fiscal Year Annual Research Report
動態的三層構造理論を基礎とする農村景観計画理論の研究
Project/Area Number |
07456103
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
佐藤 洋平 筑波大学, 社会工学系, 教授 (20012023)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村山 祐司 筑波大学, 地球科学系, 講師 (30182140)
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Keywords | 農村景観 / 計画理論 / 動態的空間機能 / 静態暦的空間機能 |
Research Abstract |
本年度は、先ず、農村景観理解のための概念的枠組みの検討を行った。すなわち、バイオテック、アビオテック、およびオキュペイションの3レベルの畳重によって農村景観は構成されており、さらに、オキュペイションのレベルは静態的空間機能と動態的空間機能とに分けられる、というものである。オキュペイション・レベルでは、「景観ユニット」の概念を付け加えるとともに、この景観ユニットが時代状況の下で変更される過程を通じて農村景観の変容がもたらされるというように、概念的枠組みの修正が図られた。 実証地域の1つは、景観ユニットの変更が強く見られる北海道士幌町を取り上げた。現況の土地利用、社会経済的統計データ(国際調査、農林業センサス、農村地域整備状況調査など)の収集を行い、データベースの構築を図った。もう1つの実証地域として茨城県猿島町を取り上げた。さらに、都市化前線地帯からも実証地域を抽出することとし、そこにおける土地利用の変容に関する従来の実証研究を系統的に整理、論評した。また、農村的土地利用から都市的土地利用への空間的変容プロセスに関する文献サーベイを行った。そして、東京大都市圏における都市化の前線地帯として、つくば市における土地利用変化の実態調査を実施した。また、都市化前線地帯にあるつくば市においては、さらに、緑地の分布状況、緑地の形態、緑地の種類などについての実態調査を進めるとともに、緑地の大小といった緑地の規模の違いが、緑地が存在する状況の違いと併せて、その緑地の有する機能に関する地域住民の評価においては、大きな違いがあることを明らかにした。 我が国の平均的畑作地域として取り上げた猿島町の実態調査からは、動態的空間機能が静態的空間機能を脅かすほどの現象は鮮明に見ることができない。農家レベルでの詳細な調査と分析が必要であることが予測される。
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Research Products
(1 results)