1997 Fiscal Year Annual Research Report
水量・水質モデルによる流域開発の影響予測と水環境保全手法に関する研究
Project/Area Number |
07456106
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
畑 武志 神戸大学, 農学部, 教授 (70031193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田 明夫 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (00263400)
田中丸 治哉 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (80171809)
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Keywords | 流域開発 / 分布貯留型流出モデル / TOPモデル / 複合タンクモデル / 面源負荷 / LQ式 |
Research Abstract |
平成9年度は、前年度までに得られた観測資料をもとに調査流域(山田川流域)の水質ならびに流出解析を行った。流出解析の部分では前年度に引き続きTOPモデルにより流域の流出寄与域の検討を行った。自然(山林)流域の結果と対比することにより、流域開発の影響がモデル上にどう現れるかを中心に評価した。水質解析においては、水文資料(流出量・降水量)と流域内の48支流域の土地利用データから、分布貯留型流出モデル(複合タンクモデル)により流域開発と流出特性の変化を定量的に評価・検討した。 水質解析では、全流域を1ブロックとした場合と、48ブロックとした場合の2種類の解析を行った。前者では各支流域の観測値より各土地利用からの負荷発生特性を決定し、後者では最適化により、流域内の空間・時間的な水質変動を表現するよう解析を行った。解析の結果からは、全流域を1ブロックで取り扱った方が、流域の負荷特性を適切に評価できることが明かとなり、微少なスケールまでに分割した場合、観測上の特異値により全体の解析結果が悪化することが示された。前者のモデルにより、実測値から各土地利用毎の排出負荷特性と流域全体の負荷流出特性を評価することが可能となり、今後の流域開発の進行に伴う水質・水量の変化定量が可能となった。ただし、変動の傾向は適切に評価できてはいるものの、精度面で未だ問題が残されており、今後の研究上の課題として残された。 最後に、山田川における水質モデルが観測値を基礎として構成されており、これにより混住化流域の水質の総合的な特性が評価されたことが大きな特徴として挙げられる。
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[Publications] 丸山 利輔(編著): "地域環境と灌漑排水ー農業土木学から地域環境工学への展開ー(pp.97ー98,101-103,104ー106,109ー110,252-256,234-239)" 畑地農業振興会, 395 (1997)
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[Publications] 水文・水資源学会(編): "水文・水資源ハンドブック" 朝倉書店, 636(505-508) (1997)