1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07457235
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
溝口 秀昭 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (70049021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 眞紀夫 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00240557)
寺村 正尚 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (40188686)
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Keywords | トロンボポエチン / c-Mplリガンド / 巨核球産生 / 血小板産生 |
Research Abstract |
c-Mplリガンド(トロンボポエチン)のヒト巨核球産生に対する作用について検討した。c-MplリガンドをヒトCD34陽性細胞に添加し、無血清培養を行うと巨核球コロニーが形成され、巨核球コロニー刺激因子活性(Meg-CSF)を有していた。さらにIL-3、IL-6、IL-11、SCF、EPOとともに加えると、巨核球コロニー数が増加し、c-Mplリガンド、IL-3、SCFの3つを加えた場合にコロニー数は最大となった。純化したCD41陽性細胞にc-Mplリガンドを添加し無血清培養するとploidyが増加し、c-Mplリガンドは単独で巨核球増幅因子活性(Meg-POT)を有していた。CD34陽性細胞の液体培養などの結果から、c-MplリガンドはIL-3よりも一段分化した巨核球系前駆細胞に作用すると考えられた。また、IL-3には明らかなMeg-POT活性はなく、IL-3はc-Mplレセプターの発現を誘導し、c-Mplリガンドの作用により巨核球の成熟がおこる可能性が示唆された。次にc-Mplリガンドによるシグナル伝達について検討した。ヒト巨核芽球性白血病細胞株であるMeg-Jにc-Mplリガンドを添加すると、Shc、MAP kinase、Jak2、STAT5のチロシンリン酸化が認められた。さらにヒト巨核球の多倍体化機構における細胞周期関連蛋白の変化について検討した。ヒト巨核芽球性白血病細胞株であるMeg-JにプロテインキナーゼインヒビターであるK252aとTPOを添加するとMeg-Jは著明に多倍体化し、CD41、CD42などの血小板糖蛋白の増加や分離膜形成が認められた。この多倍体化のさいには、通常のcell cycleでみられるサイクリンB1の強発現が認められなかった。以上よりサイクリンB1の強発現の消失が多倍体の機序と関係してることが示唆された。
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