1995 Fiscal Year Annual Research Report
臓器移植における免疫抑制剤ならびに免疫抑制法の開発研究
Project/Area Number |
07457248
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
内田 久則 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30050420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮坂 昌之 大阪大学, 医学部, 教授 (50064613)
渡辺 建詞 東京大学, 医科学研究所, 助手 (90201178)
出川 寿一 東京大学, 医科学研究所, 助手 (10172115)
別宮 好文 東京大学, 医科学研究所, 助手 (70199454)
冨川 伸二 東京大学, 医科学研究所, 講師 (40164016)
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Keywords | 抗接着分子抗体 / ドナー特異的輸血 / ラット肝移植 / Bactobolamine / イヌ腎移植 |
Research Abstract |
1.ラットACI(RT1^<av1>)からLEW(RT1^1)へ肝移植を行い、抗接着分子抗体(抗ICAM-1,抗LFA-1)を与えると、無処置対照群の平均生存日数が11.1±2.1(mean±SD)日(n=7)に対し30.6±14.5日(n=7)と有意に(p<0.01)延長する。また、肝移植前7日に1mlのドナー血輸血を行うと平均生存日数が84.6±75.2日(n=5)と延長するのに対して、術前輸血に加えて抗接着分子抗体投与を行うと平均生存日数は280日以上となり、全例移植肝は100日以上の永久生着を示した。このレシピエントラットにACIの皮膚を移植するとその皮膚は永久生着となったが、一方、3rd partyであるBN(RT1^n)の皮膚は生着せず、この免疫学的無反応性は、ドナー特異的であることが判明した。 2.次に新しい免疫抑制剤Bactobolamine(BBL)の免疫抑制効果であるが、ACIからLEWへのラット肝移植において無処置対照群の平均生存日数は10.9±1.0日に対してBBL50mg,100mg,200mg/kg/day各投与群の平均生存日数はそれぞれ、13.9±2.9,19.1±8.3,29.1±15.4日であった。また、FK506 0.08mg/kg/day投与群の生存日数は33.6±15.1日であった。これに対して、BBL100mg,FK506 0.08mg/kg/dayの合併投与を行うと、7頭中5頭が100日以上生存し、100日以上を100日とすると平均生存日数は98.3±2.6日となり有意の生着期間の延長が認められ、しかも両薬剤の併用はcombination indexから判断すると、synergisticであった。 3.次にBBLの免疫抑制効果をイヌの同種腎移植で検討した。無処置対照群の平均生存日数は17.4±4.2に対し、BBL 100mg/kg/day2週間の投与により平均生存日数は24.6±5.6(p<0.05)となり、有意の生着延長が認められた。BBLの副作用は食欲不振、嘔吐など消化器症状と肺出血であった。
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[Publications] H. Degawa, K. Watanabe, Y. Beak, S. Tomikawa, T. Nagao, H. Uchida: "Effect of anti-ICAM-1 and anti-LFA-1 antibodies on rat liver transplantation" Surgery Today. 25. 474-476 (1995)
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[Publications] 出川寿一、渡辺建詞、別宮好文、冨川伸二、長尾桓、内田久則他: "ラット肝移植における抗接着分子の効果" 今日の移植. 8. 613-617 (1995)
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[Publications] H. Degawa, et al.: "Blocking of ICAM-1 and LFA-1 in rat liver allo-transplantation" The forth congress of Asian Soc. of Transplantation.
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[Publications] K. Watanabe, et al.: "Immunosuppressive effect of bactobolanin on rat liver allotransplants" The forth congress of Asian Soc. of Transplantation.
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[Publications] K. Kikuchi, S. Tomikawa, et al.: "Prolongation of cauine renal allotransplantation by new potent immunosuppressive agent, Bactobolanin" The forth congress of Asian Soc. of Transplantation.