1997 Fiscal Year Annual Research Report
臓器移植における免疫抑制剤ならびに免疫抑制法の開発研究
Project/Area Number |
07457248
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
冨川 伸二 東京大学, 医科学研究所, 講師 (40164016)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮坂 昌之 大阪大学, 医学部, 教授 (50064613)
野村 祐二 東京大学, 医科学研究所, 助手 (20251449)
別宮 好文 東京大学, 医科学研究所, 助手 (70199454)
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Keywords | 抗接着分子抗体 / ドナー特異的輸血 / ラット肝移植 |
Research Abstract |
(1)ACI(RT1^a)をドナー、Lewis(RT1^1)をレシピエントとする同所性肝移植において、以下の6群の生着期間を比較した。Groupl.無処置。Group2.レシピエント手術中門脈血流遮断直前に抗ICAM-1抗体(1A29)、抗LFA-1抗体(WT.1)各1mg/kgを投与。Group3.移植後3日間FK506 0.15mg/kgを投与。Group4.抗体とFK506を併用。Group5.移植7日前にドナー末梢血1mlを輸血(DST)。Group6.DST時と移植時に抗体を各1mg/kg投与。ドナー特異的な寛容の誘導を確かめるため、100日以上の長期生着の得られた例でACI、BN(RT1^n)からの皮膚移植を行い、皮膚の生着期間を観察した。Group1、Group2で術後7日目に移植肝を取り出し、抗CD4、CD8、CD45R抗体による免疫組織染色、浸潤細胞のFACSを行った。抗体1回投与のみで生着期間は11.1日から30.6日へと延長した。Group1の死亡時移植肝組織所見では強い急性拒絶反応がみられたが、Group2では急性拒絶を思わせる所見はほとんどみられなかった。FK506と抗体の併用効果はみられなかった。DSTのみでは長期生着例は40%だったが、DSTと抗体を併用することで全例で100日以上の長期生着が得られた。長期生着例の皮膚移植で、ドナー特異的な寛容であることが示された。術後7日目の免疫組織染色で抗体投与群では、グリソン域でのCD4陽性細胞、CD8陽性細胞の著名な減少がみられた。FACSでもCD4陽性細胞、CD8陽性細胞の消失が示された。 (2)イヌICAM-1、LFA-1抗原の作成のため、ラットICAM-1、LFA-1遺伝子を基に種特異的でない部分を利用してプライマーを作成し、PCRを用いてイヌICAM-1、LFA-1遺伝子のクローニングを試みたが、現在の時点では成功をみていない
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S.Tomikawa et al: "Effectiveness of bactobolamine as anew immuno suppressive aqents" Transplant Proc.29. 1276-1278 (1997)
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[Publications] Kenshi Watanabe et al: "The synergistic effect of bertobolamine and tacrolimus on in vitro and in vivo experiments" Jpn.J.Surg. 27. 1160-1166 (1997)