1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07457317
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大本 尭史 岡山大学, 医学部, 教授 (60032900)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊達 勲 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (70236785)
古田 知久 岡山大学, 医学部・附属病院, 講師 (30181457)
浅利 正二 岡山大学, 医学部, 助教授 (40175857)
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Keywords | パーキンソン病 / 遺伝子治療 / ドーパミン |
Research Abstract |
我々はこれまでplasmid DNA-Liposome complexの持続的注入により、安全に中枢神経系細胞(主としてglia系)に外来遺伝子を導入することができることを示してきた。本年は、本法をパーキンソン病モデル動物に応用した。まず、3種類のプラスミドベクターを作成した。Chicken β-actin promotorをCMV enhancerと融合させたCAG promotorとbovine papilloma virus genomeの69%fragmentを持つpCAGGSBPVと、CAG promotorの下流にhuman tyrosine hydroxylase type 1 (HTH1) cDNAを挿入したpCAGGSBPVHTH1、同じくCAG promotorの下流にhuman aronatic L-amino acid decarboxylase (AADC) cDNAを組み込んだpCAGGSBPVAADCである。これらのプラスミドベクターと、cationic liposomeであるdioctadecylamidoglycylspermine (DOGS)を1:3の割合で混合して複合体を形成させ、osmotic pump (Alzet)を用いて、あらかじめ6-hydroxydopamine (6-OHDA)にて作成した片側パーキンソン病モデルラットの右線条体内に、7日間の持続注入を行った。モデルラットは、注入プラスミドの種類によって3群にわけ、A群:pCAGGSBPVHTH1を25μg注入、B群:pCAGGSBPVHTH1とpCAGGSBPVAAADCを25μgずつ混合注入、C群:pCAGGSBPVを25μg注入、とした。apomorphine誘発回転運動については、C群では経過中変化が見られなかったが、A群およびB群では、注入終了直後より回転運動の改善が見られた。また、この効果は、B群においてより顕著であった。HTH1およびAADCの発現の有無については、注入終了後7日目に屠殺したものについてみると、刺入したカニューレ周辺に、A群ではTH,B群ではTHおよびAADCがともに効率よく発現されており、組織学的にも導入遺伝子の発現が確認された。以上より、liposome-DNA複合体の持続注入法を応用することにより、パーキンソン病モデルにおける運動症状の改善が得られ、本法がパーキンソン病に対する遺伝子治療の一つとなる可能性が示された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 今岡 充: "パーキンソン病モデル動物に対する実験的遺伝子治療の試み" 神経組織の成長・再生・移植. 7. 103-104 (1995)
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[Publications] 伊達 勲: "Two-year follow-up study of a pofieut with Parkinson,s disease and severe mofor fluctuations treated by ce-grafts of adreval mchelca and peripheral nerve into bilateval caudetl viuch" Neuro surgevy. 37. 515-519 (1995)