1996 Fiscal Year Annual Research Report
コンプロマイズド宿主における尿路感染局所の免疫応答と、BRMによるその修飾の研究
Project/Area Number |
07457376
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
広瀬 崇興 札幌医科大学, 医学部, 講師 (80136960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 隆志 札幌医科大学, 医学部, 助手 (00244351)
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Keywords | 尿路感染免疫 / BRM / コンプロマイズドホスト |
Research Abstract |
平成8年度の新たな知見としては、compromisedマウスに対する実験的尿路感染発症時に、種々のBRM(1L-2,TNFなど)を宿主側の感染免疫能を高める目的で治療投与し、下記の結果を得た。T細胞障害マウスに対しの回復を期待してIL-2またはIFN-γを投与したところ、CD4陽性T細胞とCCD8陽性T細胞とB細胞の局所浸潤が回復した。またTNF-αを投与した場合はCD4陽性T細胞が若干回復した。一方、糖尿病マウスに対し、T細胞の機能回復を期待してIL-2またはNFT-αを投与したところ、CD4陽性T細胞とCD8陽性T細胞が若干回復した。しかし、好中球機能の回復を期待してG-CSFを投与した場合は免疫応答細胞浸潤の回復は認められなかった。その他に各種感染免疫関連細胞の産生するサイトカインの局所存在を明らかにするために感染局所の1L-1αとTNF-αの発現をRT-PCRにより検討したところ、それぞれのmRNAは感染初期のまだ免疫関連細胞の浸潤が認められない感染2時間後に発現が認められた。したがって、エイズ患者のようなT細胞機能が障害された宿主に対しては、IL-2またはIFN-γをT細胞機能回復目的で投与することにより効果が期待されるが、TNF-αはあまり効果が期待されないと考えられた。一方、糖尿病宿主に対しては、好中球機能を回復させる目的でG-CSFを、T細胞障害を回復させる目的でIL-2またはTNF-αを投与してもあまり効果が期待されないことが考えられた。以上のように、一部の易感染性患者に対して、一部のBRMが感染免疫能を回復させる可能性が明らかになってきた。また、感染局所のサイトカイン発現の結果については、感染直後の感染免疫関連細胞の浸潤が認められる前からIFN-γとTNF-αのmRNAが発現して粘膜免疫として感染防御を行っていると考えられるが、これは非感染時から粘膜層に存在するIEL(上皮内リンパ球)や単球が産生していることが考えられた。
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Research Products
(1 results)