1997 Fiscal Year Annual Research Report
コンプロマイズド宿主における尿路感染局所の免疫応答と、BRMによるその修飾の研究
Project/Area Number |
07457376
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Research Institution | Sapporo Medical University School of Medicine |
Principal Investigator |
廣瀬 崇興 札幌医科大学, 医学部, 講師 (80136960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩澤 晶彦 札幌医科大学, 医学部, 助手
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Keywords | 実験的腎盂腎炎 / 局所感染免疫 / IL-1 / IL-6 / IFN-γ / TNF-α / mRNA / ICAM-1 |
Research Abstract |
最終年度である9年度の研究としては、大腸菌を経尿道的にマウスに膀注し、実験的上行性腎盂腎炎を発症させ、経時的に感染腎盂のみを摘出し、腎盂組織内の各種炎症性サイトカイン(IL-1,IL-6,IFN-γ,TNF-α)mRNAの検出時期をRT-PCR法にて検討した。そして免疫関連細胞浸潤時期との関係を比較した。感染早期の細胞浸潤が認められない時期(感染30分後)から既にIL-1,IFN-γ,TNF-α mRNAが検出された。 我々は既に非感染時より腎盂粘膜にIEL;intraepithlial lymphocyteと組織球が存在することを確認しており、これらの細胞が細菌の刺激により、IL-1,IFN-γ,TNF-αを産生したものと考えることが出来た。 IL-6mRNAは感染6時間後にIgA陽性B細胞が感染局所に浸潤する時期と一致して検出された。一般にB細胞の分化、成熟にはIL-6が関与していると考えられるが、尿路においても腸管と同様にIgA応答にはIL-6が重要な役割を果たしていると考えられた。 また接着分子(ICAM-1)の粘膜免疫応答に対する機序を検討した。その結果、感染4時間以降、上述のIL-1,IFN-γ,TNF-αなどの刺激により感染巣近傍の粘膜下に存在する血管内皮細胞表面にICAM-1の発現が増強され、並行して好中球の浸潤増加が観察された。しかし、感染7日後にはICAM-1の発現が減少し、好中球との浸潤程度とは相関しなくなった。これはICAM-1が感染早期のみの好中球浸潤に関与しているためと考えられ、感染後期には他の接着分子による好中球浸潤が主体になっているのかも知れない。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hirose T,et al.: "Molecular cascade of local immune response in mice with Escherichia coli-induced ascending pyelonephritis." J.Infect.Chemother.4(in press). (1998)
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[Publications] Yokoo A,Hirose T,et al.: "Expression of intercellular adhesion molecule-1 in mice with Pseudomonoas-induced pyelonephritis." Journal of Urology. 159(in press). (1998)