1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07457400
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
久保 武 大阪大学, 医学部, 教授 (30107031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井 勝美 大阪大学, 医学部, 講師 (40243224)
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Keywords | 神経回路形成 / 聴覚 / 可塑性 / 鳥 / 誘導因子 / 反発因子 |
Research Abstract |
人口内耳患者において電気刺激により与えられた聴覚への非常に良好な適応性が明かとなり、聴覚の可塑性に関する基礎研究が必要性をましている.神経回路網やシナプスの形成には、誘導因子と反発因子が重要な役割を担っていることが近年明かとなってきている.誘導因子は大まかな回路の枠組みの形成に、また反発因子はその後の回路網の形成に必要と考えられている.NCAM-Hおよびgicerinは、immunogloblin superfamilyに属する膜蛋白で、主に胎生期の中枢神経系に一時的に発現し神経回路の形成に働くことが知られている誘導因子である.我々は、鳥類内耳の発生期および再生過程におけるこの二種の誘導因子の発現について検討した.その結果、内耳発生早期より耳胞及び神経節にこの二種の蛋白が強く発現するが、聴器の成熟とともに聴覚上皮、神経節の順に発現が低下していき、生後はみられなくなることがわかった.音響外傷後におこる有毛細胞の再生過程においても、非常に早期にgicerinが発現し、末梢聴覚系の可塑的変化にも関与していることが明かとなった.以上のことから、NCAM-H、gicerinといった誘導因子が、聴神経の内耳蝸牛への軸索伸展あるいは有毛細胞とのシナプス形成において重要な役割をになっていることが示唆された.次年度からは、聴覚の発達過程において聾とした動物と正常動物とで、中枢聴覚系における神経回路網の形成(軸索投射)の相違、可塑的変化の違いを比較する予定である.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Umemoto M,Sakagami M,Fukazawa K,Ashida K,Kubo T,Senda T,Yoneda T.: "Hair cell regeneration in the chick inner ear following acoustic trauma : ultrastructual and immunohistochemical studies." Cell & Tissue Research. 281. 435-443 (1995)
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[Publications] Kubo T,Iwaki T,Ohkusa M,Doi K,Yamamoto K,Fujii K.: "Auditory plasticity in cochlear implant patients." Acta Otolaryngol (Stockh). 116(in press). (1996)
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[Publications] Kajikawa H,Umemoto M,Mishiro Y,Skagami M,Kubo T,Yoneda Y.: "Expression of highly polysialylated NCAM (NCAM-H) in developing and adult chiken inner ear." Hearing Res,. (in press). (1996)