1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07457464
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
奥野 攻 東北大学, 歯学部, 教授 (50014080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊地 聖史 東北大学, 歯学部, 助手 (50250791)
高田 雄京 東北大学, 歯学部, 助手 (10206766)
片倉 直至 東北大学, 歯学部, 助教授 (70005031)
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Keywords | チタン合金 / 形状記憶 / 超弾性 / 生体用機能性合金 / 変態温度 / インプラント / Ti-Pd合金 / Ti-Mo合金 |
Research Abstract |
本研究はチタン・パラジウム系合金とチタン・モリブデン系合金を基本とし、生体への安全性が高く、体温付近で形状記憶効果や超弾性効果を示す、歯科に適した新しい機能性チタン合金の開発を目的とする。本年はチタン・パラジウム系合金に第3合金元素を添加し、これらの機能性が発現する変態温度と機械的性質の改善効果の検討を行った。この結果、チタン・パラジウム系合金にはコバルトの添加が有望であることを見出し次の結論を得た。 (1)チタン・パラジウム系合金のパラジウムの一部をコバルトで置換していくと、コバルトが11%のとき変態温度が50℃付近まで下がることがわかった。 (2)チタン・パラジウム系合金のパラジウムを5%だけコバルトで置換した合金900℃で熱処理した合金は熱弾性型のマルテンサイト変態を生じ超弾性合金として有望な組成であることがわかった。 (3)また、チタン・パラジウム系合金のパラジムの5%をコバルトで置換した合金の硬さはビッカースで250〜270と歯科用合金として適度であった。 (4)チタン・パラジウム系合金のパラジウムの5%をコバルトで置換した合金は900℃で熱処理を施せばすべりを伴わない塑性変形が容易に起こり、形状記憶効果を示すことがわかった。しかしニッケル・チタン合金の形状記憶効果より劣っていた。 今後、さらにチタン・パラジウム系合金にコバルト以外に第4元素を添加し口腔内温度付近で形状記憶効果を示す合金を見出す。またチタン・モリブデン系合金においても第3、第4の元素を添加を検討する予定である。
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