1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07457471
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
赤川 安正 広島大学, 歯学部, 教授 (00127599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 秀幸 広島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (00243577)
和田本 昌良 広島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (70231040)
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Keywords | 歯周靱帯細胞 / 無血清培養 / 線維芽細胞増殖因子 |
Research Abstract |
インプラント材料へのヒト歯周靱帯細胞の付着について検討する上での基礎的知見の集積を目的として,invitroでの歯周靱帯細胞の増殖と分化について以下の知見を得た。 1.無血清培養系の確立 動物細胞の培養には通常血清が必要であるが,血清中には種々のホルモンおよび栄養素が含まれており,細胞の増殖や分化を検討する場合これらの因子の影響を無視することはできない。そこで我々は歯周靱帯細胞に最も適した無血清の培養系を確立することを試み,細胞の増殖すなわちDNA合成を指標として数種類の基礎的培地と因子を用いて無血清培養系を検討した結果,Iscove′sModified Dulbecco′s培地にinsulinなどの6つの因子を加えた培地を用いることで,10%血清を含む培養系とほぼ同程度の増殖を得ることのできる無血清の培養系を独自に確立することに成功した。 さらに歯周靱帯細胞に適した接着因子についても検討を加え,1型コラーゲンをコーティングすることで細胞の増殖活性が促進することが判明した。 2.分化の制御因子 歯周靱帯細胞の増殖,分化を制御する因子を探求する目的で,種々のホルモンや増殖因子の影響を検討した結果,線維芽細胞増殖因子(FGF)は歯周靱帯細胞の増殖を促進し,一方でALPase活性を指標とした分化を抑制することが判明した。 また,FGFおよびFGF受容体の発現についても検討を加え,歯周靱帯細胞は増殖期にFGFを発現し,分化後はその発現が弱くなることなど,細胞内分泌学的な知見を得ることができた。
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[Publications] 八塚信博: "ヒト歯周靱帯細胞の増殖と分化の細胞内分泌学的研究" 歯科基礎医学会雑誌. 37. 126 (1995)
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[Publications] N. YATSUZUKA: "Function of FGF-FGFR in Periodontal Ligament-derived Cells." Journal of Dental Research Special Issue. (発表予定). (1996)