1995 Fiscal Year Annual Research Report
離島における慢性病の家族ケアに及ぼす諸因子の抽出と援助介入のタイプと方法の研究
Project/Area Number |
07457571
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
IMAI KISHI KEIKO 岡山県立大学, 保健福祉学部・看護学科, 教授 (00254558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若林 敏子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助教授 (70183712)
福 知栄子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助教授 (50123625)
富田 幾枝 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (70155555)
三宅 忠明 岡山県立大学, 情報工学部, 教授 (90229815)
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Keywords | 家族介護 / 在宅ケア / 離島の健康 / 慢性病 |
Research Abstract |
1.坊勢島における慢性病の在宅ケアにおよぼす諸因子の抽出をこころみた。研究期間は1995年5月-1996年3月にいたる。 研究方法は、インタービュー、観察、写真、及びビデオ撮影により、データーを収集、記録した。又、42項目よりなるアンケート調査を750世帯に配付し、70%を回収し、統計分析、資料作成、印刷をおこなった。 2.諸因子として考慮される現象としてカイニ乗検定により年令層間に有意差が認められた項目は次の通りである。 1)家族の者が終末期の場合の介護者としての希望(場所・人物・手段)(χ^2(DF16)=23.7,P<.10) 40代の介護者は、在宅ケアを行い、医師の往診を希望し、病人のためのショートステイ施設を要望している。 30代も在宅ケアを行うが、ホームヘルパーや介護機器の貸し出しを希望している。 2)自分の終末期に対する介護の要望の場所と人物(χ^2(DF12)=24.7,P<0.5) 40代では、子供や身内の者に在宅ケアをしてもらいたい者は皆無で医療施設入院の希望が多い。30代では、在宅ケアを家族のものにしてもらいたいと希望している。 3.全体的に自分の終末期に関する在宅ケア希望は、30代を頂点に70代に至るほど減少している。島の現状は、医師一人の診療所が1ケ所あるだけで、在宅ケアは伝統的に、嫁や配偶者によって行われている。家族構成は3世帯が20%、4世帯が18%、2世帯が18%の家族が主であり介護力はある。しかし、援助可能な血縁家族がいないものもある。 4.産業は漁業中心で、裕福な地域で、持ち家一軒家は70%以上である。介護のための在宅改善は希望多く、トイレ、風呂場、段差などの改善は解答者524名中220名、42%、病室を別に造りたい者は99名、19%である。インタビューをした介護経験者の20名は介護上の住宅構造の不便さを訴えるものはなく、長期にわたる精神的ストレスの訴えが主であった。 5.島の地形は崖状であり、頂上の住宅より診療所に通院することや、医師の往診は非常に不便である。交通手段は徒歩しかないところが多い。 6.公的保健医療福祉施設が島外にあり、医療サービス、特に事故の救急医療、重症者の医療、専門医の不在などのため、診療所のプライマリ-・ヘルスケア及び慢性病の在宅ケアの活動に影響を与えている。
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Research Products
(2 results)