1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07457610
|
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
矢内原 巧 昭和大学, 医学部, 教授 (70102308)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広瀬 一浩 昭和大学, 医学部, 助手
鈴木 明 昭和大学, 医学部, 講師 (10221318)
斎藤 裕 昭和大学, 医学部, 助教授 (30119193)
|
Keywords | 出生前診断 / 母体血 / 遺伝子診断 |
Research Abstract |
妊婦末梢血中にはごく少量の胎児由来細胞が存在する事が示されており、胎児遺伝子診断の標的として考えられている。この方法は、現在主に行われている羊水穿刺法などに流産などの一定のリスクが伴うのに対し、無浸襲性が特徴であり、次世代の胎児診断法と目されている。 我々は、成人血中には通常存在しない有核赤血球を形態的に識別し、micromanipulation法で単一細胞として回収し、その単一細胞から抽出したDNAをPCR法にて増幅する方法で、今までにDuchenne型筋ジストロフィー、RhD血液型の出生前診断を行い報告してきた。しかし、抽出した有核赤血球が胎児由来かどうかの確認は胎児が男児の場合のみに限られていた。そこで、HLA-DQ alphaのgenotypingを行い、性別に依らない胎児細胞同定法を確立し、雑誌″Human Genetics″に報告した。このことは、本法が伴性遺伝性疾患のみならず、常染色体性疾患にも広く応用可能なことを示している。 また、Ornithin Transcarbamirase欠損症にも応用した。前児が生後3日目で高アンモニア血症のため死亡した既往をもつ家系につき、発端者DNAより変異部位を同定し、それを基に続く妊娠で、妊婦末梢血中より抽出した有核赤血球を用いて胎児のOrnithin Transcarbamirase欠損症の遺伝子診断にも成功した。
|