1996 Fiscal Year Annual Research Report
無酸素性、および有酸素性筋収縮時における筋内酸素変動と血行動態
Project/Area Number |
07458012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
芳賀 脩光 筑波大学, 体育科学系, 教授 (80093102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹宮 隆 筑波大学, 体育科学系, 教授 (70086528)
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Keywords | 近赤外分光法 / 局所骨格筋 / 運動時 / 一般人 / 競技者 / 無酸素性作業閾値 / 血液量 / 酸素動態 |
Research Abstract |
1.Change in oxygen content and blood volume in working skeletal muscle up to maximal exercise by near infrared spectroscopy. Therapeutic Research 17:31-38,1996 本研究は近赤外分光法を用いて局所骨格筋の酸素変動および血液量が無酸素的作業閾値時、最大運動時の時点でどのように変化するかを観察し、その特異性を検討することを目的とした。その結果、運動時、骨格筋内の酸素は運動強度に比例して直線的に低下を示した。しかし、血液量は最大酸素摂取量の60〜70%強度まで増加したが、その後はほぼ一定だった。また、酸素変動の中で無酸素性作業閾値時点における変曲点は観察されなかった。すなわち、筋内の乳酸生成は必ずしも組織における酸素不足に起因するものではないと考えられる。 2.Oxygenation and blood volume in working skeletal muscle supermaximal anaerbic exercise by NIRS(投稿中) 本研究は無酸素性運動時の局所骨格筋の酸素血行動態を検討した。その結果、血液量は運動開始から一過性に減少し、最大パワー発揮時(4〜5秒)で最も低下した。一方、酸素動態は逆に5秒まで低下せず、その後安静時の60〜80%まで低下した。これは無酸素性運動時における局所骨格筋の酸素動態は最大パワーが発揮される4〜5秒の時点から有酸素的代謝による酸素利用が行われる可能性があることを示した。 3.近赤外分光法による脳内酸素動態(投稿中) 運動中、脳の血液量はVO_2maxの50〜60%から有意に増大する。このことは、1)脳組織の酸素需要に対して血液量が増大すること、2)運動中、血圧上昇により灌流圧が上昇し、そのため血液量が増大する、3)脳内の毛細血管拡張のため血液量が増大すること、が示唆される。 4.Wingate Anaerobic test中および回復時の局所脳内酸素血行動態(投稿中) 30秒間の最大運動が脳に与える影響を検討することを目的とした。その結果、脳内血液量および酸素動態は共に上昇したが、回復期の酸素は安静時レベルに復するもの、安静時レベルより低下するものなど多用な変化をもたらし、短時間の激しい運動は脳内の酸素不足を招く可能性が示唆され、今後更に検討を要する課題が提起される。 5.その他、学会発表として Change of blood volume and oxygenation during wingate test in sprinter and non-athletics by NIRS(アメリカスポーツ医学会ACSM 1997.5月デンバー)を含め、1996年に他5題の学会発表を行った。
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Research Products
(10 results)
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[Publications] Bae S-Y and Haga S: "Changes in oxygen content and blood volume in working skeletal muscle up to maximal exercise by near infrared spectroscopy." Therapeutic Research. 17 6. 31-38 (1996)
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[Publications] 祥容、芳賀脩光: "NIRSによる最大運動までの酸素動態および血液量の変化-AT出現時およびExhaustionにおける変化-" 第2回医用近赤外線分光法研究会.沖縄. 2. 13 (1995)
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[Publications] Bae S-Y and Haga S: "The change of oxygen content and blood flow in working muscle up to maximal exercise by near-infrared spectroscopy." '95KNUPE International Symposium.Korea. 102-103 (1995)
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[Publications] 安河内正文、芳賀脩光: "Valsalva試験時における脳内血液量の変化と酸素動態" 第105回日本体力医学会関東地方会. (1995)
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[Publications] 祥容、芳賀脩光: "無酸素性運動時における局所活動筋内酸素動態および血液量の検討" 日本運動生理学会第4回大会.名古屋. 4. 41- (1996)
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[Publications] 祥容、芳賀脩光: "ペダリング運動時における姿勢条件の相違が局所oxygenationおよび体酸素摂取量におよぼす影響" 第51回日本体力医学会大会.広島. 51. 165- (1996)
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[Publications] 安河内正文、芳賀脩光: "近赤外分光法による脳内酸素血行動態" 第51回日本体力医学会大会.広島. 51. 293- (1996)
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[Publications] Bae S-Y and Haga S: "Study of oxygenation and biood volume in working skeletal muscle during anaerobic exericse by NIRS" '96 KNUPE International Symposium. Korea. 91-93 (1996)
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[Publications] 祥容、芳賀脩光: "近赤外分光法による無酸素性運動時における酸素運動および血液量の検討" 第3回医用近赤外線分光法研究会、京都. 3. 5- (1996)
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[Publications] 安河内正文、芳賀脩光: "Wingate Anaerobic Test中および回復時の局所脳内酸素血行動態" 第3回医用近赤外線分光法研究会、京都. 3. 11- (1996)