1997 Fiscal Year Annual Research Report
研究留学生にみられる日本語発話能力の変化と日本語使用環境に関する基礎的研究
Project/Area Number |
07458049
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
尾崎 明人 名古屋大学, 留学生センター, 教授 (60119659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 紀子 名古屋大学, 留学生センター, 助教授 (30252290)
鹿島 央 名古屋大学, 留学生センター, 助教授 (60204377)
村上 京子 名古屋大学, 留学生センター, 教授 (00210005)
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Keywords | 研究留学生 / 日本語発話能力 / 第二言語としての日本語習得研究 / 言語習得の縦断研究 / 発話資料の収集 / 発話資料のデータベース化 / CHILDES |
Research Abstract |
1.研究目的 本研究の目的は、日本語予備教育を修了し大学院へ進学した国費研究留学生のその後の日本語発話能力の変化を追跡調査し、その変化と日本語学習・日本語使用の実態とのかかわりを明らかにしようとするものである。 2.研究内容 本研究では、発話能力の変化を調べるために3ヶ月に一度被験者と面談し、(1)日本語でのインタビュー、(2)絵を見て物語を作る、(3)電話でのロールプレイ、の3つの課題を与えた。平成5年12月から平成8年7月までに述べ11回の調査を継続的に実施した。被調査者は24名、調査回数は延べ114回である。 一方、日本語学習・日本語使用の実態を知るために平成5年末から平成6年にかけて研修コース修了生、その指導教官、研究室の日本人学生にアンケート調査を実施し、その結果を分析した。 3.研究成果 本研究の成果の一部は、『日本語研修コース修了生追跡報告書』(平成6年7月)、『日本語研修コース修了生追跡調査報告書2』(平成8年11月)として刊行されている。はじめの報告書は主としてアンケート調査の分析結果をまとめたものであり、2冊目の報告書では、アンケート調査にもとづく論文3編、発話資料の分析にもとづく論文11編(アクセント、発話速度、語彙、格助詞、終助詞、テンスとアスペクト体系などに関する研究結果)が掲載されている。 4.今後の課題 平成8年から発話資料のコンピューター処理をめざしてCHILDESへの入力作業を進めている。膨大な発話資料のデータベース化が今後の課題である。
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[Publications] 尾崎明人: "追跡調査にみられる終助詞「ね」の使用状況と変化" 日本語研修コース修了生追跡調査報告書2. 151-160 (1996)
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[Publications] 村上京子: "日本語研修コースにおける成績と修了後の困難度の評価" 日本語研修コース修了生追跡調査報告書2. 6-13 (1996)
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[Publications] 村上京子: "「わたし」の使用過多について" 日本語研修コース修了生追跡調査報告書2. 129-136 (1996)
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[Publications] 鹿島 央: "発話速度とポ-ズに関する縦断的研究" 日本語研修コース修了生追跡調査報告書2. 53-61 (1996)
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[Publications] 神田紀子: "単音の習得:スペイン語話者の「し」について" 日本語研修コース修了生追跡調査報告書2. 62-76 (1996)